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スポーツ医学とは 23-テニス肘について

2010/8/15

みなさん、「テニス肘」という用語を聞いたことがありますか? これは肘(ひじ)の外側の骨の出っ張った部分が痛くなる疾患です。テニス選手に生じる障害、と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、実際にはテニス選手にのみ発生する障害ではありません。むしろ、主婦の方など手をよく使うお仕事の方に発生します。例えば、雑巾をしぼったり、重い荷物を長時間握っているなどの動作で発症します。一方、テニスで発生しやすいのは、バックハンドでラケットを片手で強く握っている場合です。

なぜこのような動作でテニス肘が発生するかを理解するために、まず肘の構造を理解する必要があります。
人間は物を強く握る際に手首が反り返る傾向があります。試しにご自身の手で強く「グー」を作ってみてください。手首が反りますよね。これは手首を反らす筋肉(手根伸筋)が収縮するからです。そしてこの手根伸筋が付着しているのが肘の外側にある骨の出っ張り(外側上顆)なのです。

結果的に物を繰り返し握ると手根伸筋が繰り返し収縮し、外側上顆での付着部にも引っ張る力が伝わるのです。しかし、なぜこれで炎症が起こるのか、これだけではイメージがわきませんよね? そんな方は、ご家庭にある電源コンセントを思い浮かべてください。

コンセントはやわらかいコードの部分が数メートルあり、いちばん端には固い差込プラグがあります。そしてコードと差込プラグの境目をよく見てください。何か補強がされていませんか? そうです。コンセントは繰り返し抜き差しするため、やわらかいコードの部分と固い差込プラグ部分の間の接続部分が最も傷みやすく、そのため、ほとんどの会社の製品でこの接続部分が補強されています。

手根伸筋(=やわらかいコード)が外側上顆(=固い差込プラグ)に付着する箇所で炎症(損傷)しやすいことはコンセントとまったく同じです。

このように、1.物を繰り返し強く握る→2.手首を反らす筋肉が繰り返し収縮する→3.骨に付着している部分が炎症を起こす、という原理でテニス肘はおこるのです。

今回は「テニス肘」が発生する原理についてお話しいたしました。テニス肘は、原因を解明すれば症状を改善することができます。治りにくいテニス肘でお悩みの方は、ぜひ当院スポーツ医学科を受診されることをお勧めいたします。

スポーツ医学科 大内洋

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