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タバコと環境汚染

2007/01/15

タバコの煙に含まれるダイオキシン濃度は、ごみ焼却場から出る排煙より高く、3~18倍にもなります。
窓を閉め切った車で、1人が喫煙すると、車内の粉じん濃度は、国の環境基準の12倍にもなり、1時間以上元に戻らないことがわかっています。(東大医学系研究科の調査より)また、屋外で1人が喫煙すると、テニスコート2面分にタバコの煙が広がることも、以前お話ししました。

このように、タバコの煙は高濃度の有害物質が広範囲にいつまでも残るため、喫煙者はもちろん、家族や見ず知らずの人まで一緒に害を受けることになります。
10万人の一生を追跡して、何の原因で何人が死亡したかを表した「生涯リスク(10万人当たり)」という指標があります。タバコの有害性は、思っているよりも遥かに大きいことがわかります。

生涯リスク(10万人当たり) 松崎道幸 (1998)

喫煙する本人の早死 50,000人
喫煙による肺がん死 20,000人
受動喫煙による早死 14,000人
交通事故死 1,000人
アスベスト住宅に住み肺がん死 10人
ディーゼルガス死 300人
環境汚染物質許容基準死 1人

ゴミ

ポイ捨てされたタバコのフィルターは、プラスチックの一種の化学物質で出来ています。分解されるまで数年かかるため、長期間毒物を含んだまま残り、環境を汚染します。

ポイ捨てされたタバコの吸殻は、川や海にも流れています。タバコの吸殻を魚が食べている例もあり、魚を通してタバコの有害物質を再び人間が取り込んでいることが考えられます。

また、タバコのポイ捨てや火の不始末で、家屋の火災、山火事なども起こります。子どもが親のタバコで遊び、火事で亡くなったという悲惨な事故もありました。ちなみに、タバコによる火災やポイ捨てされたタバコの掃除費用に毎年2,000億円が掛かっています。

タバコには巻紙、タバコの箱など紙が使われています。これらの材料は「木」です。また、収穫した葉煙草を乾燥させるにも大量の木材が使われています。

昔は、自然乾燥させていましたが、現在ではそれではとても追いつきません。日本などでは重油を焚いて葉を乾燥させていますが、重油ではコストがかかります。そこで、欧米のタバコ会社では、ケニア・タンザニア・南アフリカなどの途上国で煙草を栽培し、薪を燃やして乾燥させています。煙草の葉1キロを乾燥させるのに、薪は何キロ必要だと思いますか?答えは10キロ!です。

こうして、タバコを作るために大量の木材が使われており、その量は、世界で伐採される全材木の1/6にもなります。毎年、長野県2つ分の森が、タバコのために地球上から無くなっているのです。

また、煙草は、病気になり易く栽培するのが難しいため、大量の農薬を使うことになります。途上国では、先進国で禁止されたような農薬も使用して栽培するため、労働者は健康を害し、土地はどんどん汚染されています。

タバコの問題は「煙」だけではありません。ポイ捨てされたタバコのゴミ、煙草を作るための農薬、木の伐採などで、地球は破壊され害を受け続けています。
地球に出された汚染物質は、再び人間に帰ってきます。
世界がタバコ撲滅に力を入れているのは、「健康」や「マナー」はもちろん、「地球環境」のためでもあるのです。

健康管理支援室 山口文江