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【特別編】 肺がんで死なないために

2016/8/15

2013年から当院呼吸器外科で行っている肺がん凍結療法の治療症例数が100例を超えました。そこで今回は、「肺がんで死なないために 特別編」として、凍結療法の治療成績をご紹介いたします。

局所麻酔で行う肺がんに対する凍結治療

最近はCTにより超早期肺がんと言われる小さな肺がんや、他臓器のがんからの小さな肺転移が見つかるようになりました。その場合どの施設でも手術を優先されますが、亀田総合病院では2013年より凍結治療も行っており、治療症例数が100例を超えました。その方法と治療成績をご紹介します。

方法はCTを見ながら凍結針を腫瘍に刺して、針の温度をマイナス170度以下にしてがんを死滅させる治療です(図1、2)。現在のところ、肺がんの凍結療法を行っている施設は慶応大学病院と当院のみです。傷は針の孔だけなので術後の痛みはほとんど無く、通常治療後3~4日目には退院でき、退院後翌日からは通常の社会生活に復帰できます。


現在まで治療した105例の生存曲線を示しますが、現在まで90%以上の方が生存されています(図3)。

以下に局所制御率を腫瘍のサイズ毎に紹介します(図4~6)。1cm以下では局所制御率は100%で再発はありません(図4)。1.1~2cmでは局所制御率は85%(図5)、2.1~3cmでは40%です(図6)。2cmを超えると局所制御率が悪くなるので、昨年2015年より、2cm以上の肺がんに対しては定位照射による放射線治療を行った後に凍結治療を行っており、現在まで23例治療してきましたが、再発例は現在のところありません。

予後と局所制御率はもうしばらく経過を見ないとはっきりしたことは申し上げられませんが、低侵襲な治療であることは確かです。

2cm以上の肺がんや転移性肺がんに対する“放射線治療+凍結治療”の併用療法

肺がんのがん病巣のみを放射線照射するピンポイント放射線治療には重粒子線や定位照射がありますが、当院では定位照射を行っています。通常の放射線治療とは異なり、照射部位を腫瘍に限局させ、放射線治療の効果をより強くした治療です。しかしこのピンポイント放射線治療の肺がんに対する適応は、通常はサイズが2cm以下のものに限られます。理由は2cm以上になると再発率が高くなるからです。当院では2015年より2cm以上の転移性肺がんあるいは原発性肺がん症例に対して、最初にピンポイント放射線治療を行い(通常、5日間照射)、その後2~3週間してから凍結治療を行う併用療法を行っています。両者の併用により腫瘍を壊死させる力が高まることが予想されます。

呼吸器外科 顧問 野守裕明

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