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(最終回) 肺がんで死なないために

2014/4/1

1. 肺がんの性比と年齢分布

肺がん罹患の男女の比率は約3:1ですが、近年女性の肺がんが増加しています。
また年齢階級別の死亡率は高齢になるほど増加し、男女とも80歳代では最も多くなり、他の悪性疾患に比べ肺がんリスクは高齢者になるほど高くなります。そのため今後の高齢化によりさらに患者が増加することが予想されます。

2. 肺がんの症状とは

肺がんの症状には持続性の咳、血痰、息切れ、嗄声(声がかすれる)、胸痛などがありますが、これらの症状が生じた時には進行がんのことが多くなります。[図1]は全身に転移をした肺がんですが、右の上に肺がんがあり肺の根元にリンパ節転移があります。
さらに脳転移と骨転移があります。このようになると肺の中心に近い気管支も腫瘍により浸潤を受けるので咳や血痰を生じ、脳転移による頭痛、骨転移による痛みが生じます。ここまで進行しては治ることは困難となります。

[図1]進展した肺がん

3. 早期肺がんの症状

では早期肺がんの症状は何でしょうか?答えは「早期肺がんには症状が出ない」です。
早期肺がんの発見にはCTが必要です。[図2]は左の通常の胸部レントゲン写真で右の上の方にぼんやりと病変が写っているのですが、それを指摘することは極めて困難であり、通常は見逃されてもやむを得ません。
右はCTですが、CTでは簡単に病変があることがわかり、その形状より肺がんの可能性が高いことも判ります。

[図2]早期肺がん胸部レントゲン写真

さらに「超早期」の肺がんは胸部レントゲン写真では絶対に見つかりません。
[図3]は超早期肺がんですが、上の胸部レントゲン写真では全く見えません。下のCT写真では小さいながら、病変が示されています。
[図4]は切除標本ですが、腺がんという種類の肺がんで超早期でした。

[図3]超早期肺がんのレントゲン写真とCT写真、[図4]切除標本

4. CT検査の必要性

肺がんで死なないためには早期発見が必要ですが、そのためにはCT検査をする必要があります。
通常2年に1回ほどで多くの肺がんは早期に発見できると言われています。
日本はCTの所有数が世界一多く、日本のCTの数だけで、ヨーロッパ全土のCTの数より多いと言われています。そのため日本は世界一、早期の肺がんが発見されている国です。

文責:呼吸器外科 杉村 裕志
2019/7/5 更新

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