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「腎移植とリハビリテーション」

2017/8/15

慢性腎臓病の基本治療は、原疾患の治療、生活指導、食事療法、薬物療法、腎不全症状の治療があります。リハビリテーションは生活指導の位置づけで深く関わる分野となります。今回は生体腎移植前に行うリハビリテーションについてお話しします。

腎移植と適切な体重の維持

腎移植後に移植した腎臓を長持ちさせるためには、生活習慣病の予防が大切となります。生活習慣病とは、偏った食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒、肥満、過度のストレスなどの生活習慣がもとで発症・進行に関与する疾患群のことで、循環器疾患やその他重症の合併症に進展のリスクが高くなります。その中でも肥満は腎機能の悪化をもたらす主要因となります。

適度な体重であるかを判定する指標としてBMI(Body Mass Index)があります「ボディ・マス指数」「体格指数」などと呼ばれることもあります。過度な体重増加は病気のリスクを高めるため、日頃から自分のBMIを把握することは、健康を維持するために重要になります。特に腎移植の前後で体重増加がみられた場合、移植した腎蔵の機能が低下するリスクが高まると報告されています。そのため、腎移植の前から体重のコントロールは必要であり、BMIで25kg/㎡以下にコントロールすることが重要となります。

計画的に体重減少を図るためのエネルギー計算

消費エネルギーより、余計に食べると余ったエネルギーは体脂肪として蓄えられ、体重の増加となります。誰もが毎日食事をしてエネルギーを補給しますが、そのエネルギーを全部使い切っていくことが、肥満を改善する一番の近道になります。

消費に関わるエネルギーは基礎代謝、食事誘導性熱代謝、生活活動代謝の3つとなります。基礎代謝は筋肉量と関係がありますし、生活活動代謝は日常生活での活動で身体を動かして消費されるエネルギーとなります。消費エネルギーに着目した場合は、筋肉量や活動量に着目する必要があります。

生活習慣 (生活活動代謝)の見直し

実際にどれくらいの運動が必要かは、その人の生活スタイルによって大きく違います。仕事や家事などの生活活動が多い方は、積極的な運動時間は短くて済みますが、日常的に体をあまり動かさないという方は、運動時間を多くとらなければなりません。日頃の活動を確認するのに万歩計の利用をおすすめしています。

慢性腎臓病をお持ちの方は1日5,000歩を目標にすると良いと言われています。しかし、いきなり5,000歩は難しいため、これから始める人は普段の歩数から1,000歩増やす事を目標に徐々に歩数の延長を図ることがポイントとなります。

腎移植を前提とした検査入院中では、これらのポイントを確認させていただき、個別の運動処方や生活指導で関わらせていただきます。

腎移植科のご案内

亀田総合病院 リハビリテーション室 小柴輝晃