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腎細胞癌

1. 腎細胞癌とは

腎臓は血液を濾過して尿をつくる臓器です。また、血圧の調整、造血ホルモン(エリスロポエチン)、ビタミンDの活性化なども行っています。左右の背中寄りに位置し、腎筋膜という膜の中に副腎と一緒に脂肪で包まれています。腎実質の尿細管という部分から発生したのが腎細胞癌で腺癌に分類され、尿の集まる腎盂から発生する腎盂癌(尿路上皮癌)とは区別されます。

2. 腎細胞癌の症状

無症状で人間ドックや検診で行った超音波検査で偶然見つかる場合が増えています。古くは血尿や疼痛、腹部腫瘤(しこり)が3大症状とされていました。まれに骨転移による疼痛や骨折、肺転移による肺異常陰影(肺レントゲン異常)や血痰、発熱、体重減少、食欲不振、呼吸困難、全身倦怠感、貧血、カルシウム高値などの症状で発見されることもあります。

3. 腎細胞癌の診断

超音波検査

腫瘍の有無の判定には有用ですが、腫瘍の性質の判定(良性か悪性か)が困難な場合もあります。

CT

造影剤を使用して撮影する事により腫瘍の性状の判定に役立ちます。同時に転移や静脈内にのびた腫瘍の有無を診断できます。

MRI

腫瘍の性状や静脈内の進展の判定に役立ちます。

血管造影

腎臓の周囲の血管をカテーテルを挿入して造影します。腫瘍の性状判定の補助的診断に用いますが、近年ではCTやMRIの進歩で、腎動脈を詰める塞栓術以外ではあまり行わなくなっています。

生検

腎細胞癌疑いの場合、通常生検は行いません。

骨シンチ

骨転移の有無の判定に用います。

4. 腎細胞癌の鑑別診断

腎血管筋脂肪腫、オンコサイトーマ、黄色性肉芽腫、肉腫など

5. 腎細胞癌の病期診断と病期分類(ステージ)

  • 「泌尿器科 アトラスボード(吉田修監修 バイエル薬品提供)」より転載

6. 腎盂尿管癌の治療

一般に抗癌剤や放射線に感受性が低いため手術療法が選択されます。
転移がなく静脈内に進展していない場合は腎臓を摘出します。腫瘍の位置によっては副腎も同時に摘出します。また、腫瘍の大きさ、数、位置により開放手術(経腹的、後腹膜的)や腹腔鏡手術、全摘手術や腎部分切除などを選択することができます。
詳しくは以下を参照してください。

摘出標本

診断時にすでに転移がある場合は全身化学療法を初回治療として行います。その効果により腎尿管全摘や放射線治療などを考慮します。

周囲への広がりが大きい場合や静脈内進展がある場合は経腹的な開放手術が選択されます。静脈内進展がより心臓に近い場合や心臓に達している場合は人工心肺を用いた大がかりな手術が行われることもあります。

手術を受ける体力がない場合や多数の転移が有る場合などに腎臓を栄養している血管を詰める塞栓術が行われる場合があります。塞栓術直後は疼痛や発熱が見られます。

補助療法として免疫療法があります。治療効果は約10~20%程度です。インターフェロンαは自己注射が可能です。インターロイキン2は静脈内投与になります。いずれも保険が適応されますが非常に高価な薬です。分子標的薬(スーテント、ネクサバール、インライタアフィニトール、トーリセルなど)を使った治療も行っています。

脳転移を来した場合はγナイフなどを行います。

2013年5月

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