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不妊(不妊は身近なカップルの出来事です)

2005/08/15

子供が欲しいのに子供のできないカップルは、8から10組に1組と言われ珍しいことではありません。カップルの思いやこれまでの生活、健康で有るか否かに関わらず一定の頻度で不妊となりますが、"健康"であれば妊娠するのが当たり前という古い社会通念と周囲の無理解から精神的に悩まれるカップルも多く見られます。子供の欲しいカップルだけでなく、周囲が不妊を身近な出来事と理解することで、不妊に関わるいくつかの問題が解決するのではないかと思います。優しい不妊症ケアの連載にあたり、不妊の現状から見てみましょう。

不妊とは?

不妊とは、性交時に避妊しないのに、1から2年経っても妊娠しない状態を言います。生殖機能が正常なカップルでも、1回の月経周期あたりに妊娠する率は30%前後と言われていることから、一定期間の観察が必要です。どの時点で産婦人科を受診するのが良いかは、妊娠の希望の強さにもよりますが、女性の生殖能力には年齢による限界があることから、女性が29歳以下なら1~2年、34歳以下なら1年、35歳以上では半年(40歳以上では早期に)ぐらいが目安ではないかと思います。さらに、35歳を超えた方では、出来る限り不妊症の専門医を受診することが大切だと思います。

不妊の原因

不妊の原因を大きく分類すると、女性側だけに原因があるのが41%、男性側だけに原因があるのが24%、両性に原因があるのが24%、原因不明が11%と報告されています(WHO,1996年)。男性側の原因が全体の約半分に関与することから、男性が積極的に治療に参加することで治療効果は上がります。また、カップルで不妊症について勉強し、うまくコミュニケーションをとることで、女性にかかりがちな精神的負担が軽減し良い結果に結びつくことが期待されます。

不妊症治療

一般の不妊症治療では、原因を探りながら、原因を治療し、タイミングをはかって妊娠を目指します。専門医を受診すれば、通常は2から3周期(月経が来ることは新しい妊娠のための期間の始まりを意味し、次の月経までを1周期とします)で基本的な検査は終了します。前述した妊娠の効率(30%前後)から、一つの治療法を3から6周期行いながら治療を強めて(ステップアップして)妊娠を目指すこととなります。
一般の治療では結果が得られなかったカップルは、より高度な生殖補助医療技術を用いた治療(体外受精・胚移植や顕微授精など)の対象になります。現在、日本において体外受精などを用いて妊娠し、出生する新生児数は1年間に15,223名(日本産婦人科学会、2002年)と報告されており、新生児の75名に1名が体外受精などで出生する児となっていることから、もはや特殊な治療ではなくなってきました。しかし、1周期あたり30~70万円の自費負担がかかること、採卵あたりの妊娠率が20~23%(日本産婦人科学会、2002年)であること、多胎妊娠が多い(全体の約20%)ことなど改善が望まれる面も多くあります。

技術的な制約以外にも、生殖能力の限界や倫理的制約もあり、一生懸命治療を受けても、問題が解決されないカップルがおられることも事実です。また、経済的 制約、近所に専門医がいない等の社会的制約、働いているために通院の時間がない等の時間的制約もあり満足のゆく治療の機会を逃してしまったカップルもたく さんいます。晩婚化、女性の社会進出など子供を作り育てる環境が悪化するなかで、少子化が大きな社会問題になっています。 子供が欲しいのに授からない状態:不妊は社会全体がしっかりと理解し、配慮しなければならない問題ではないでしょうか。子供が欲しいのに出来ないで悩まれ ているカップルが身近にたくさんいるのですから。

不妊カップルが伝えたいこと、望むこと

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妊娠の仕組み

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