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就労環境 1~就労形態~

2011/10/01

高次脳機能障害とは、様々な事故による外傷性脳障害や低酸素性脳症、脳血管障害、脳腫瘍、脳炎などの疾患により、脳の一部が損傷を受けることで、記憶障害、集中力の欠如、判断が出来なくなる、などが後遺症として残る障がいです。しかも、働き盛りの方に起こる事がしばしばで、身体状況が安定すると、就労の要望が当然出てきます。しかし、高次脳機能障害は、障がいの存在が自覚しにくく、外見からも分かりづらいため、支援体制の乏しいまま復職し、本人も職場も混乱をきたす事があります。職場で混乱が予測される出来事について家族・会社で情報共有することは勿論ですが、今回は、"就労形態" についてお伝えしたいと思います。

働くことは、社会参加の1つのあり方です。収入の確保という側面は勿論、社会の一員として存在しているという帰属感や、他人から必要とされているという手ごたえや役割意識を感じることができ、規則正しい生活や他人との関係を育むことができます。しかし、高次脳機能障害者の就労は、受傷前の社会生活や職業生活を前提に持ちながら以前とは違う能力を受入れ、社会への再適応を考えなければなりません。障がい者として働くということには企業への就労だけでなく、様々な形があることを知っておきましょう。

就労には、「一般雇用」「保護雇用」、「福祉的就労」の3種があります。

「一般雇用」は、求職者(障がい者)が事業主と雇用契約を結び、競争的な労働市場に参加するもの。「保護雇用」は、障がい者が雇用主と雇用契約を結ぶと同時に、事業主が賃金の補填、施設や設備の改善費、運営経費などの費用の補助を得て障がい者を雇うもの。「福祉的就労」は、雇用契約が困難な障がい者に働く場を提供する方法です。また、「一般雇用」・「保護雇用」の中では、雇用側との話し合いにおいて、いきなりフルタイムでの出勤ではなく、週に数回の出勤から開始することで、リハビリ期間を持ってくれることもあります。

企業の事業主には、障害者雇用率(法定雇用率:民間企業1.8%)に相当する人数以上の障がい者の雇用が義務付けられています。障がいの特性や配慮事項、支援体制などを事業主に理解してもらい仕事に就くことができるので、高次脳機能障害をもつ方が活用したい制度です。ただし、障害者雇用では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを取得している事が条件となります。

病気で休んだ後、就労するには様々な準備が必要です。早起きして昼間に活動できるよう生活リズムを整える、体調を管理する、通勤や仕事に耐えられる体力をつける、復職するのであれば以前の職務がどの程度出来そうかどうか、を検討する事も重要です。休職可能な期間、傷病手当金、復職に際しての条件などを職場に確認しながら、可能な休職期間をリハビリしながら有効に過ごし、就労開始の準備を積んでいきましょう。本人、家族、職場上司、担当医や高次脳機能障害支援コーディネーター、障害者就業・生活支援センター等の支援者が充分に話し合いながらすすめる事が、混乱を避け、安心した就労再開に結びつくのだと思います。

亀田総合病院 総合相談室 ソーシャルワーカー 藤屋良恵

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