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取り巻く制度 1.総論

2011/07/15

前回までは医師より高次脳機能障害全般のこと、そして支援コーディネーターである作業療法士より高次脳機能障害支援普及事業についてお話をしました。

今回からは、ソーシャルワーカーが高次脳機能障害の方を取り巻く公的な制度について、3回に分けてお話させていただきます。初回は総論として、高次脳機能障害を負ったご本人・ご家族が直面する生活のしづらさやそれに対応する制度に関しておおまかにお話し、次回からの2回で障害者手帳をはじめとする福祉サービス、障害年金(所得保障)についてくわしくお話していきます。

高次脳機能障害は、注意障害や遂行機能障害、失語症、脱抑制・易怒性など、症状は多岐にわたります。実際には、そわそわして集中が出来なかったり、声をかけないとどうしていいか分からなくなってしまったり、作業が効率よく出来なかったり、言葉がなかなか出てこなかったり、自分で自分の気持ちのコントロールが出来なくなって怒りっぽくなってしまうという様な症状です(他にも多くの症状があります)。しかし、これらの症状は、場面や環境、サポート側の対応方法を整えるなどの工夫をすることで、生活のしづらさを軽く出来ることがあります。

例えば、落ち着いた環境であれば作業が出来たり、言葉が出やすかったり等と、場面や環境によっても出る症状が変わる場合があります。病院で「高次脳機能障害」と診断をされ、退院してご自宅で生活を開始したとします。すると、病院では出来ていたことが出来なくなったり、病院では気付かなかったようなことに気付いたりと、その生活の中で、前述したような症状が原因でご本人・ご家族は生活がしづらい、ということに直面することになります。具体的には、入浴に集中が出来なかったり、身体の洗い方が分からないなどで、ご家族が身体を洗うのを手伝ったり、次の動作がスムーズにいくよう声かけをしなくてはいけないことも考えられます。それだけではなく、人とうまくコミュニケーションがとれないことによって家の中に引きこもりがちになってしまったり、仕事が上手くいかなくなってしまうということも考えられます。

そのような中で、「家にだれか来て、手伝ってくれないだろうか?」「ずっと家にいるのではなく、外に出たい」と思ったり、「今後の生活費などはどうすればいいのだろうか?」という様々な心配も出てくることでしょう。その思いや心配に対し、ご本人・ご家族を助けてくれる方法の1つが、以下のような公的な制度です。

【介護保険】

対象者は65歳以上の方(法律で定められた16の疾患に当てはまる40歳以上の方も含む)です。家での手伝いならばヘルパー、外出機会ならばデイサービスやデイケアなどが考えられます。

【自立支援法】

この障がいを持つ方は若年の方も多く、介護保険の利用が困難であることが予測されます。そのような若い方の場合には「障がい」という項目で障害者手帳を取得し、自立支援法にて同様のサービスを受けることを考えます。さらに、障害者手帳を利用すると就労の場を探すという事も検討出来るかもしれません。

【障害年金】

今後、経済的にどのような保障が受けられるか、という心配に対しては、障害年金の受給ということも考えられます。

今回は簡単に制度の概要をお伝えしましたが、次回は、障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神保健福祉手帳)について詳しくご紹介します。

亀田総合病院 総合相談室 ソーシャルワーカー 友野さゆり

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