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脳血管内治療専門外来のご紹介

脳神経血管内治療とは

従来、脳動脈瘤、脳の血管奇形、頚動脈の狭窄症など頭蓋内や頚部の血管病変に対する治療は開頭手術や頚部を切る外科的な手術が主に行われておりました。近年は画像診断装置やカテーテルなどデバイスの飛躍的な進歩により頭部や頚部に傷をつけずに、脳血管の病気を処置できる患者さんの体に優しい治療法が発展してきました。

当院の脳血管内治療の特徴

鴨川市に本拠を置く亀田総合病院では2004年より本格的な脳血管内手術が行われており、未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頚動脈病変に対して平均在院日数4日の短い入院期間で合併症率1%以内の治療を行っております。全症例で術前に入念な精密検査が行われます。

全国的には麻酔科医不足で脳血管内手術は局所麻酔で行われる施設も多いのですが、当院では麻酔科専門医による安全な麻酔を併用することで、より高精細な画像を取得して、これに基づいた精密なカテーテルの治療が可能となります。全身麻酔下で手術された患者さんは術後全例で集中治療専門医の常駐するICU (集中治療室)で注意深く観察するので、周術期の合併症をさらに低減できます。 こうしたチーム医療により患者さんは楽にしかも短い入院期間で安全に脳卒中の原因となる病変を治療できます。

  • カテーテル治療室のイメージ

通常大腿の動脈や静脈からカテーテルを挿入して脳や頭頚部の血管にデバイスを誘導します。

亀田総合病院の脳血管内治療室。 全身麻酔のインフラも完備した血管内治療に特化した設計となっています。 壁や床材の温かいデザインは患者さんだけでなくスタッフもリラックスできる理想的な手術環境です。

1.脳動脈瘤

70歳台女性、めまいの発作でMRI検査を行ったところ脳底動脈(脳幹部に接した場所)に動脈瘤が偶然発見されました。サイズは直径15mmの大きさでした。 

  • 高解像度な3D画像による動脈瘤の解析

柔軟性のあるプラチナ製コイルと脳底動脈本幹の血流を維持するためのステント(特殊合金でできた網目の筒状のもの)を併用して約2時間で手術は無事終了。高齢でしたが後遺症も無く、一週間で退院されました。このように大型の動脈瘤でも近年は頭蓋内用のステントの発展と普及により安全確実にまた長期の治療成績も格段に向上しました。 

2.頚動脈病変

食生活の変化や生活習慣病の増加に伴い、頚動脈が動脈硬化により細くなり、そのために脳梗塞を起こす患者さんが増えております。 当院では2005年から頚動脈に対するカテーテル治療の血管形成術、ステント留置術を積極的に行っております。

70歳台男性、一過性の左眼視力の異常を訴えて眼科を受診。眼科では特に異常を指摘されませんでしたが、心配になり当院クリニック外来を受診し、頚動脈超音波検査を行ったところ左頚部内頚動脈の高度狭窄症が見つかりました。

  • 特殊な脳血管撮影装置による頚動脈の狭窄病変と、ステントを留置した後の画像

ニッケルとチタンの特殊合金で作られたしなやかなステントを2本留置することにより確実な拡張とスムースな内腔の維持が達成されました。

術後4日目に退院されました。
このように解像度の高い脳血管撮影を全身麻酔下で行うことで病変を詳細に解析することが可能になり、より安全確実な手術が達成できます。

3.脳動静脈奇形(AVM)

比較的若年者を襲う脳内出血や痙攣の原因として脳動静脈奇形(AVM: arteriovenous malformationの略)があります。これは脳の動脈と静脈が直接連絡してしまう奇形で、頻度は少ないものの治療困難な血管病変の一つです。

開頭手術、カテーテルによる塞栓術、奇形に放射線を集中させて治療する定位放射線治療(ガンマナイフ等)など主に3つの治療法があり、部位や大きさ、出血発症か、未破裂かでその組み合わせや順番、タイミングを考慮して治療する必要のある病気です。

57歳男性 頭痛があり他院でMRIを撮像したところ右側頭葉に異常を指摘されて当院に紹介・受診となりました。

頭部MRIで右側頭葉に大きさ25mm程度の動静脈奇形が発見されました。

  • 脳血管撮影正面像と側面像

矢印の黒く染まった部分が血管奇形です。このような奇形は通常微小な血管が集まった複雑な構造なので、一般的にはカテーテル治療単独での根治は難しいとされております。

先端が0.5mm程度の極細のマイクロカテーテルを丁寧に異常血管の中に誘導し、血液を凝固させる薬剤を注入することで動静脈奇形の異常血管を閉塞させます。

1回の脳血管内手術により異常血管は完全に閉塞し、手術後4日目に退院されました。
現在は後遺症も無く頭痛の症状もなくなりました。

MRIでもAVMの病変が縮小し、異常血管の塊の消失が確認できます。

AVMに対するカテーテル治療は術者の経験や施設により治療成績が大きく異なります。

文責:<脳血管内治療外来担当>脳神経外科 部長 田中 美千裕

患者さまへの一言

病気やその治療法の最新情報についてもっと詳しく知りたい方、治療すべきかどうか悩んでいる方、お気軽にご相談ください。 たとえ手術しない場合でも、外来で定期的に画像診断を行い、患者さまと一緒に病気に立ち向かう気持ちで診察させて頂きます。

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執筆者プロフィール

主な経歴

1991年 山梨大学医学部卒、 横浜市立大学病院で初期研修、
1994年 国立循環器病研究センター 脳神経外科
1996年 小田原市立病院 脳神経外科、横浜市立大学 脳神経外科
1998年〜2004年 スイス・チューリッヒ大学 神経放射線科 脳血管内治療部

認定資格

日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会 指導医・専門医、
世界脳神経血管内治療学会 理事・事務局長 (WFITN: World Federation of Interventional and Therapeutic Neuroradiology)
昭和大学医学部客員教授、チューリッヒ大学医学部客員講師
横浜市立大学医学部非常勤講師、鳥取大学医学部非常勤講師

専門分野

脳神経血管内治療学、脳動脈瘤、硬膜動静脈瘻、脳動静脈奇形、脳脊髄血管奇形、頭頚部腫瘍に対するカテーテル治療、脳血管障害、中枢神経解剖学

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