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(最終回)口腔がん

「癌(がん)は」は、「がん=死」、「がん=苦痛」というマイナスのイメージが根強く、自分や家族の命、将来のこと、人生観など多くのことを考えさせられる病気です。しかし最近では、早期に発見することで、完治が可能となる病気であることも知られています。
あまり認知されていませんが、口の中にもがんはできます。そして、不幸にも進行してしまうと、生命を脅かす可能性のある恐ろしい病でもあります。そのような口腔がんに対しては、当院では口腔外科が中心となり、他科と協力して治療にあたっています。

口腔がんとは・・・

口腔がんとは、口の中にできる「がん」のことをいいます。口の中は、歯以外の表面は扁平上皮という粘膜で被覆されています。そのため、口の中にできるがんの80%は「扁平上皮がん」です。その他にも腺系がん、肉腫などがありますが、ここでは最も頻度が高い扁平上皮がんを「口腔がん」として説明します。
口腔は、歯をはじめ舌、歯ぐき、頬粘膜など様々な組織で構成されています。その中で、歯以外の部位には、がんが発生する可能性があります。発生する部位により分類され、舌にできるものを舌がん、歯ぐきにできるものを歯肉がん、頬粘膜にできたものを頬粘膜がんと分類します。日本における口腔がん罹患患者は1975年には2,100人でしたが、2015年には7,800人と増加傾向にあると予測されています。口腔がんは、全身に発生するがんの約2%といわれていますが、この数値は、血液腫瘍である白血病の発生率を上回っています。口腔がんも全身に発生するがんと同様、進行してしまうと直接生命に関わる重大な病気となります。

どんな人がかかりやすいの・・・

口腔がんのリスク因子は、喫煙や飲酒などの生活習慣に起因することが分かっています。また、虫歯でかけた歯、不適合な差し歯や入れ歯による慢性の機械的刺激、食事などの化学的刺激、炎症による口腔粘膜の障害、ウィルス感染、加齢などが原因となります。また、口腔がんになった人は、食道や胃などの消化管に、同時にがん発生しやすいことが知られています。

がんと間違えやすい口腔内病変

口の中には多くの病気ができます。直接見て触れることができる領域のため、ご自身でも変化に気付くことができます。口内炎など、口の中の粘膜の変化により、痛みなどの症状が現れることがあります。がん以外の病変の多くは、一時的な粘膜の変化です。疲労や体調不良により症状が発現し、体調の回復と共に症状は消失します。しかし、症状が改善しない場合は、専門機関による詳しい検査が必要となります。

口腔がんの治療

がんの大きさやリンパ節転移の有無、全身状態などを考慮し、手術療法、放射線治療、化学療法、またはその組み合わせから選択します。当院では、口腔外科だけでなく、腫瘍内科、耳鼻咽喉科、疼痛・緩和ケア科、リハビリテーション科などと協力し、各科の特性を生かした専門性の高い治療を行っています。また、治療するだけでなく、早期に社会復帰することを目指しています。

気を付けること・・・

口腔内病変は、鏡を使えば自分で見ることができるため、他のがんとは異なり、比較的早い段階で発見することが可能です。早期に発見することで、治癒率は高くなり、QOL(生活の質)の低下も最小限に抑えることができます。やけどや、誤って唇や頬粘膜をかんでしまい、傷ができた経験は誰しもがあると思います。しかし、その傷が治りにくかったり、腫れが治まらなかったりすれば、それは危険信号です。そのうち治るだろうと放置したり、見過ごしたりしないよう注意が必要です。ご自身でもこまめに観察していただき、気になることがあれば、なるべく早めに口腔外科を受診しましょう。多くの患者さまは、病気でないと受診してはいけないと考えているようです。「問題ない」と安心して日常生活が送れるよう、ご自身で判断せず、お気軽にご相談頂けると幸いです。

歯科口腔外科 河地誉

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