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直腸瘤とは

2019/3/1

おしりとお通じの解説も今回で最後となりました。最後にお話しするのは、女性の便秘の原因の一つである「直腸瘤(ちょくちょうりゅう)」です。

直腸瘤ってなに?

肛門の近く、直腸と呼ばれる便が最後に溜まる部分があります。女性は膣が存在するため直腸と膣の間の壁が弱く、便が溜まってきたり、排便をしようと息むと直腸の部分が過度に膨らむことがあります。これが膣から見ると直腸がコブ(瘤)のように見えるため「直腸瘤」と呼ばれています(図1)。骨盤臓器脱の一つでもあります。

どんな症状ですか?

便が肛門近くまで下りてくると、膣壁や会陰と呼ばれる肛門と膣間の皮膚が膨らんでくる、便を出そうと息んでも便が出しにくい、残便感があるなどの症状がよく見られます。排便困難の状態が長期間になると排便時に膨らんだ部分を押さえて排便をすることが習慣となってくる人もいます。

診断はどのようにするのですか?

通常の外来で膣壁の膨らみをみてもわかりますが、確定診断には排便造影検査を行います。

この検査は直腸内に擬似便とよばれる便と同じような硬さのバリウムを注入し、レントゲン室に便座を設置して普段の排便を再現させて直腸の形の変化を観察する検査です。排便造影検査は同じような症状を呈する他の病気との鑑別するためにも必要な検査です。また、その他の骨盤臓器脱(膀胱瘤や子宮脱)が疑われる場合は超音波検査を行うこともあります。

治療方法は?

まずは、外来で行える簡単な治療を行います。便を有形軟便(形はしっかりしているが軟らかい状態)にして、スムーズな排便を心がけます。普段から便が硬い人には、便を軟化させる緩下剤を使います。また、摂りすぎで便が硬くなる不溶性食物センイを減らすこと、便を軟化する作用のある乳製品の摂取を増やす、水分保持に優れているセンイを含む米飯をしっかり取るなどの食事療法も効果があります。このような治療でも効果がない場合は手術を行います。当院では異物を使わない、膣の方には傷をつけない経肛門的デロルメ手術を行っています。この手術法は肛門から直腸瘤のコブにあたるたるんだ直腸壁を縫い縮めて改善させる手術です(図2)。痛みも少なく、入院期間が短い、膣に影響がないため比較的若い方に適した手術方法です(図3)。

直腸肛門外来のご案内

亀田総合病院 消化器外科部長 高橋知子