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肛門掻痒症(かゆみ)

2019/1/1

肛門掻痒(そうよう)症とは

肛門掻痒症とは肛門やその周りに主に痒み(かゆみ)を訴える病気の総称です。

肛門掻痒症はどういう人に多いのですか

男女の差や発症年齢の差はないようです。特別な病気がない人では、拭き過ぎなど肛門に物理的な刺激を高頻度に与える方に多いようです。

肛門掻痒症の症状は痒みだけですか

痒み以外に、肛門のべとつき、下着の汚れなどがあります。特徴は夜間に床に入って身体が温まると徐々に痒みが増強することです。痒みが強すぎると、不眠や神経不安定になる方もいます。また、強い痒みのために指の爪で掻ききってしまい、肛門皮膚に深い傷をつくってしまうことも少なくありません。

肛門掻痒症の原因はなんですか

原因は多種多様です。肛門皮膚の傷(きず)、炎症、軟便の付着、過度の発汗などがあると痒みをきたします。以前に紹介した痔核、痔瘻(じろう)、裂肛でも痒みを訴える方がいます。また、糖尿病や肝臓の病気、ビタミン欠乏症、蟯虫(ぎょうちゅう)症、真菌症、便もれなども原因です。

下痢便や軟便のときに痒くなるような気がしますが…

下痢便や軟便のときは、排便後にトイレットペーパーで拭いても、拭ききれずに肛門皮膚に付着していることがあります。便には胆汁酸という茶色の色素が含まれますが、この胆汁酸が痒みを引き起こすのです。

温水洗浄便座の使用で痒くなると聞いたのですが…

温水洗浄便座は日本で普及し、排便後の肛門を清潔にする便利な機器ですが、洗浄水の勢いが強かったり、長時間または頻回に使いすぎたりすると痒くなることがあります。これは肛門の皮膚を保護する粘液が洗い流されたり、細かい傷ができるためです(図)。

肛門をできるかぎり清潔にしようと思っていますが…

肛門を清潔にすることは必要ですが、過度に清潔にする必要はありません。強く拭いたり、1日に何回も拭いたり、硬めのトイレットペーパーで拭いたりすると痒みの原因になります。完璧に清潔にしようとアルコール綿で肛門を拭く方がまれにいますが、かえって肛門掻痒症の原因になります。

肛門掻痒症の治療は

  1. 1 .食事療法:香辛料、コーヒー、アルコールなどは肛門を刺激する作用があるので避けてください。
  2. 2 .石けんを使わない:入浴時に石けんで洗いすぎると、痒みが増強することがありますので避けてください。
  3. 3 .排便習慣について:下痢がちの方は、有形便にするべく、食事を見直してください。便もれがある方は肛門疾患専門外来を受診してください。
  4. 4 .温水洗浄便座の使用:ダイヤルは弱にして5秒以内にしてください。肛門の外側の便が流れれば十分です。その後に柔らかいトイレットペーパーで優しく拭いてください。
  5. 5 .ステロイドを含む軟膏:ステロイドを含む軟膏はほとんどの肛門掻痒症に有効です。しかし、真菌症では逆に悪化しますので、肛門科または皮膚科を受診する必要があります。
直腸肛門外来のご案内

亀田総合病院 消化器外科部長 角田明良