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便失禁の治療について

2018/12/1

はじめに

今回は日常生活へ影響がでる「便もれ」の治療についてお話しします。ここ数年で新しい治療方法がたくさん出てきています。まずは、簡単に始められる便の硬さの調節やトレーニングからご紹介します。

便の硬さを正常化

便失禁を訴える多くの方はやわらかい便がもれるのではないでしょうか?便の硬さを固形にするだけで失禁症状が改善していきます。健康のためと牛乳などの乳製品や果物を多く摂っていると便がゆるくなります。また便をちょうど良い硬さにするセンイを含んでいる米飯を減らしていてもゆるくなります。当院で行う管理栄養士による食事指導を受けることで症状が良くなることがあります。また便をまとめる働きの薬(ポリカルボフィルカルシウム)、下痢を抑える薬(ロペラミドなど)を飲むことによっても便が固形化し、便失禁が改善します。

トレーニングをする

骨盤底筋体操は産後の尿もれ対策でよく聞く言葉ですが、便もれにも行われます。時に「便の我慢が上手くできない」「上手く肛門がしめられない」と感じる人へは肛門の収縮をモニターに表示してトレーニングを行うバイオフィードバック療法という治療法もあります。

それでもダメなら

多くの方は上記の方法で便失禁は改善しますが、残念ながら効果のない方にもまだまだ方法はあります。アナルプラグ(図1)はお尻の栓です。気になる外出の時だけお尻に入れて出かけます。経肛門的洗腸療法(図2)は毎日または1日おきに肛門から水を入れて便を強制的に洗い出す方法です。脊髄損傷など神経の障害による便失禁に対して有効です。仙骨神経刺激療法(図3)は排便に関わる仙骨神経の近くににリードと呼ばれるやわらかい電線を挿入し、お尻近くに埋め込んだペースメーカーのような機械から常時刺激を与えることで便失禁が抑えられる方法です。自身でやることが少ないのがメリットです。直腸脱などの直腸の異常が原因の失禁には直腸を固定する直腸固定術が有効です。

最後に

人それぞれ便失禁の原因や状態が違うため、治療法も異なります。まずは専門医を受診して自身にあった治療法を見つけていきましょう!

直腸肛門外来のご案内

亀田総合病院 消化器外科部長 高橋知子