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裂肛(れっこう)

2018/10/15

裂肛とは

裂肛とはいわゆる「切れ痔」のことです。誰しも硬い便を排泄するときに肛門が切れて、痛みと出血を経験することがあると思います。ほとんどの場合は4~5日もすると自然に治癒してしまいます。これを急性裂肛といいます。一方、2~3か月以上にわたって治癒しないものを慢性裂肛といいます。

裂肛は肛門のどこが切れるのですか

裂肛は長さ3~4cmある肛門の最下端にできる「きず」です。慢性裂肛では裂肛の脇にポリープや皮膚の余りが認められることが多いです(図1)。好発部位は男性では肛門の後方、女性では肛門の後方と前方です。

裂肛の症状はどのようなものですか

排便時の痛みと出血が主症状です。慢性裂肛では掻痒感(かゆみ)があるのも特徴的です。また罹患暦が長いと肛門が狭くなって便が出にくくなることがあります。

裂肛の内科的治療は何ですか

急性裂肛では、食事療法で便秘を改善します。必要に応じて緩下剤やステロイドを含む軟膏を使っていただきます。

慢性裂肛では、内肛門括約筋が緊張しており、このため裂肛周囲の血液の循環が不良であることが、難治の背景になっていることが多いです。内肛門括約筋の緊張を緩和する目的で、当院ではジルチアゼム・ゲルを薬剤部にお願いして作ってもらっています。ジルチアゼム・ゲルを6週間使うことで慢性裂肛が治癒する率は70%です。無効な場合は手術を考慮します。

手術する前に必要な検査は何ですか

肛門鏡で裂肛の部位とともに、ポリープや皮膚の余りの有無をみる必要があります。また、内肛門括約筋の緊張を評価するために、肛門内圧検査が必要です。

慢性裂肛にはどのような手術をするのですか

  1. 1 .側方内肛門括約筋切開術:緊張している内肛門括約筋を側方で長さ10~15mmにわたって切開する手術です。大変有効ですが、手術後にガス漏れや便漏れの危険があることが指摘されています(図2)。
  2. 2 .内肛門括約筋半切開術:側方内肛門括約筋切開術で生じるガス漏れや便漏れの危険を緩和する手術として行っています。裂肛部分の内肛門括約筋を長さ10~15mmにわたってその厚みの半分まで切開する方法です(図2左)。
  3. 3 .肛門形成術:慢性裂肛のために肛門が狭くなった場合に行います。肛門の皮膚を裂肛部分に移動させて、縫い付ける方法が一般的です。

入院期間はどのくらいですか

手術のために行う麻酔は通常、脊椎麻酔です。この麻酔をした後は、すぐに自立歩行ができませんので、どの手術も最低1泊2日の入院が必要です。手術後の痛みが大きい場合には2泊3日になることがあります。

退院後の通院はどうなりますか

退院後1週間または2週間後に外来受診していただきます。その後1~2回の受診が必要で、全体で2~3か月を要します。

直腸肛門外来のご案内

亀田総合病院 消化器外科部長 角田明良