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もしバナゲーム

2016/7/1

アドバンス・ケア・プランニング=将来の意思決定能力の低下に備えて、患者さまやそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合うプロセス(過程)。もしバナ≒もしものための話し合い。

これまで数回にわたって「もしバナ」に役立つアイテムを紹介してきましたが、アイテム紹介はこれで最後になります。今回はちょっと変わった「カードゲーム」のご紹介です。

『もしバナゲーム』

人生の最期にどうありたいか。多くの人が大切だとわかっているけれど、なんとなく縁起でもないという理由で避けて通っている…。このゲームは、そんな話題を考えたり話し合うきっかけを作るためのものです。家族や友人にあなたの願いを伝え、理解してもらうためのきっかけになります。

ゲームの名前からもお察しがつくかと思いますが、この『もしバナゲーム』は、私たちがネーミングも含めて制作に携わっています。(正確には米国で開発・実用化されている『Go Wish Game™』の日本語版として、許可を得て翻訳・制作・出版しています)

どんなモノなの?

1箱にトランプ大のカードが36枚入っています。そのうちの35枚には、重病のときや死の間際に大事なこととして、人がよく口にする言葉が記されています。例えば「どのようにケアしてほしいか」「誰にそばにいてほしいか」「自分にとって何が大切か」といった内容です。残りの1枚は「ワイルド・カード」といって、他の35枚のカードには書かれていない、あなた独自の希望がある場合に使います。

どう使うの?

このゲームは、1人でも2人でも、またはもっと多くの人とでも使うことができます。付属の説明書には、1人用(ソリティア)と2人用(ペアーズ)のルールを記してあります。ちなみに私たちが行っているワークショップでは、4人1組(独自のルール)でこのゲームを行っています。

なんのために使うの?

「自己の価値観を他者と共有する」ことがACPでは重要だとこれまでの連載でも繰り返し述べてきました。では、読者の皆さまの中で、他者と共有する以前に、そもそも「今現在の自分にとって何が大切か・大切でないか」をパッと答えられる人はどのくらいいるでしょうか。人生において大切なことをわかっているようでいて、意外と答えられない人も多いのではないでしょうか。「もしものとき」、それらがパッとわかる人もいるかもしれませんが、頭の中が真っ白でそれどころではなくなってしまう、なんて人もいるかもしれません。

『もしバナゲーム』は、「もしものとき」自分自身や自分の思いを代弁してくれる人たちが困らないように、自分自身のことをじっくり考えたり、また自分の思いを代弁してくれる家族や友人と話し合ったりする助けになります。

使った人の感想

過去のワークショップで実際にこのゲームを体験された方々からは「普段何気なく思っていることが、ゲームを通して、言葉にすることで、他人の価値観を聴くことで、より明確になった」、また「カードという比較対象があることで、より重要だと考える事柄がわかる」や「年代の異なる方の価値観を聴くことで、自分の考えの幅が広がった」といった感想が寄せられています。

いかがでしょうか。試しに私たちが企画するワークショップ(次号でご紹介予定)にお越しいただけると、このカードの面白さもきっと実感いただけるかと思います。

縁起でもない話をもっと身近に
あたりまえに もしバナのある世界へ

『もしバナゲーム』は近日中に亀田総合病院Kタワー1階パオラにて取り扱いを開始します。
【参考資料・サイト】
Institute of Advance Care Planning(iACP): www.i-acp.org
『もしバナゲーム™』:www.i-acp.org/game.html
疼痛・緩和ケア科のご案内

亀田総合病院 Advance Care Planning in AWA プロジェクト代表 蔵本浩一