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私の四つのお願い

2016/5/15

アドバンス・ケア・プランニング=将来の意思決定能力の低下に備えて、患者さまやそのご家族とケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合うプロセス(過程)。もしバナ≒もしものための話し合い。

前回は、「あらかじめ自分の意思を書き記しておくもの」として、当院で運用している「事前指示書」をご紹介しました。実は当院の指示書は、自分一人では書くことができません(その理由については前回の記事で触れています)。今回は、もう少し手軽に、自分(とご家族)だけでも書くことのできるツールをご紹介します。

『私の四つのお願い~医療のための事前指示書~』

『私の四つのお願い』は、アメリカの多くの州で法的効力を持つ‘事前指示’『Five Wishes(5つのお願い)』を参考に、日本の実情に合わせて作られました。アメリカ本国では、この『Five Wishes』は、‘心のこもった事前指示’として多くの人々に受け入れられており、利用者は既に100万人以上と言われています。

『私の四つのお願い』は「事前指示書(本編)」とその「書き方」の2冊セットとなっています。本編に書き記しておく内容は、以下の「四つ」です。

(1)あなたに代わって、あなたの医療やケアに関する判断・決定をしてほしい人

あなたが、自分自身で、自分の医療・ケアに関する判断・決定ができなくなったとき、あなたに代わって決定してほしい人(代理判断者)を選びます。(代理判断者には、配偶者や子供などの家族、親戚、親しい友人、あるいはその他あなたが信頼している人などの中から、成人に達している人を選びます)

(2)あなたが望む医療処置・望まない医療処置について

あなた自身が「望む延命治療」・「望まない延命治療」を明らかにします。ただし、病気の種類や、人によって‘延命治療’の捉え方は変わるため、ここでは同時に「自分にとっての‘延命治療’とは何か」を明らかにすることもできます。一般的に‘延命治療’には、以下のものがあります。

  • 胃ろう・経管栄養
  • 人工呼吸
  • 心肺蘇生
  • 大手術
  • 輸血
  • 人工透析
  • 抗生剤投与など

(3)あなたの残された人生を快適に過ごし、充実したものにするために、どのようにしてほしいのか

あなたの残された人生を「充実したものにするために」「快適に過ごすために」、ご家族や医療介護をする人々に実行してほしいことを書き出します。ここでは、様々な苦痛を和らげるための十分な処置や投薬のほか、日常的なケア(口腔内ケアや皮膚のケア、身体の清潔、髭剃り・爪切り・髪をとかすこと・歯磨きなど)や、誰かが側にいてくれること、話しかけたり・手を握ってもらうこと、もし可能であれば自分の家で死ぬことなどについての希望も書き出します。

(4)あなたの大切な人に伝えたいこと

あなたの大切な人々に知っておいてほしいこと、伝えておきたいことを書き出します。このパートは、あなたがあなたの人生について冷静に、平穏な気持ちで思いを巡らすことができるときに、あなたの大切な家族や人々に対して、深い親愛の情を持って、心を込めて書くことが推奨されています。


現在の日本において、この「四つのお願い」に法的拘束力はありません。しかし、ほとんどの医師をはじめとする医療関係者や介護関係者は、‘あなたのお願い’がどのような内容だったとしても、それらに耳を傾けなければならないことを知っています。そして、‘これを書く’というプロセスそのものが、最期の時だけでなく、今をより大切に生きるための‘何か’に気づくきっかけにもなる、と思います。

亀田総合病院Advance Care Planning in AWAでは、今年度(2017年1月14日)、この『私の四つのお願い』を実際に書いてみよう、をテーマにワークショップを開催します。募集要項が整い次第、病院ホームページ・亀田ニュース内で告知致します。
【参考資料】
(※1)箕岡真子,「私の四つのお願い」の書き方,2011
(※2)箕岡真子,私の四つのお願い~医療のための事前指示書~,2011
(※3)http://184.73.219.23/worldpl/16_bookguide/ID277.htm
(※4)https://www.agingwithdignity.org/fi ve-wishes
疼痛・緩和ケア科のご案内

亀田総合病院 Advance Care Planning in AWA プロジェクト代表 蔵本浩一

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