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安全のパートナーシップ

2008/01/01

みなさんは「医療安全」という言葉をご存じですか。医療事故なら聞いたことがあっても、こちらはあまりなじみがないかもしれません。しかしながら「交通安全」は日常的に使われています。それは多分、みなさんが自動車や自転車または歩行者などの立場から道路交通法というルールを遵守し、交通安全に自ら参加することで事故の危険から身を守っているからではないかと思います。

警察庁によると、平成19年6月時点の全国運転免許保有者は約7,966万人、免許保有率は62.3%で、最近では高齢者(65歳以上)が若者(25歳以下)を上回っているそうです。また高齢者が原因をつくった人身事故は、この10年間で約2.8倍に膨らんでおり、高齢化社会を意識した事故防止対策を盛り込んだ講習会が行われています。

では、医療はどうでしょうか。わが国の医療安全の取り組みは、平成13年「患者の安全を守るための医療関係者の共同行動」の実施に端を発し、毎年11月25日(いい(11)医療に(2)向かってゴー(5))を含んだ1週間を医療安全推進週間と定め、医療関係者の意識向上と注意喚起を促すための様々なキャンペーンを各地で開催しています。

当院の場合は毎年、安全巡視と講演会を実施しています。「交通安全」に草の根的なパトロール活動があるように、医療安全における巡視も第三者の目で病院の安全環境を点検し、職員の安全認識を高めることがねらいです。今年度は緊急時体制の確認や作業環境をチェック内容に掲げ、各部門の代表者で構成された24チームで院内90カ所を回りました。介助者も上記項目の安全確認を行い、声をかける。

ある小学校では、ずいぶん前から夏休み前になると教員や保護者を対象に救急蘇生法を学ぶ企画があります。これは保護者が輪番でプール当番を行うためだけではなく、夏は海やプールで遊ぶ機会が増えますので、けがや事故が起きたときの一次対応を何人でも行えるようにと、救助法を教わります。学校行事だからと教員にお任せではなく、多くの目で安全を認識する、これは交通安全にも、そして医療の現場においても共通する『安全のパートナーシップ』といえるでしょう。

では、医療安全ですぐにできるパートナーシップは何でしょうか。点滴や検査のとき、患者さまには腕ベルトや診察券を出し、さらに姓と名を名乗っていただく、つまり医療者と共に確認することです。ときには「医療者の責任転嫁ではないか、プロなんだから間違えないでやって欲しい」とお叱りを受けるかもしれません。しかし医療安全の第一歩は、あなたがあなたであることの証明から始まることを、どうかご理解ください。

医療安全管理室 セーフティマネージャー 髙橋静子