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組織・細胞の検査

「組織・細胞検査」といわれて何を想像しますか?一般的に病理検査とも言われ、顕微鏡を使って癌細胞を探す検査と答える人が多いのではないでしょうか。もちろん間違えではありませんが、例えば胃カメラ検査をしてポリープが発見されたとします。その組織を採取した場合「癌」以外にも「潰瘍か?」「炎症か?」も顕微鏡で診て診断ができます。

触診や画像診断等から「癌」を強く疑う事は可能ですが断定はできません。最後の決め手になるのは組織検査や細胞検査による「物的証拠」を見つける事です。即ち、良性・悪性を決める最終的な診断といえるわけです。
当院では病理専門医2名(星・乳井)、口腔病理専門医1名(成田)また、日本臨床細胞学会から認定された細胞診指導医(星)と細胞検査士5名(渡辺・佐藤・熊田・松本・角田)が常勤しています。
業務は組織検査、細胞診断検査、病理解剖(剖検)検査、術中迅速診断に分けられます。
最新の自動免疫測定装置(Autostainer Link 48、BENCKMARK)を導入し偽陽性や偽陰性の発現を最小限に抑え、今まで以上に正確な病理診断を患者さまに提供できるようにしました。

組織の検査

細胞の塊(組織)を顕微鏡で検査します。細胞診断検査より情報量も多く、その組織に対しての診断は、ほぼ100%間違いありません。局所麻酔が必要で細胞診断検査に比べて、身体的負担も若干多いので何度も行うことは出来ません。注射針や内視鏡鉗子で微量組織を採取して顕微鏡レベルで組織を観察(診断)します。腫瘍の場合は、腫瘍の良悪性、腫瘍の種類、腫瘍の範囲、広がりの程度を診断します。検査結果が出るまでに2日から約1週間かかります。
当院では平成24年10月より自動免疫染色装置(ロシュ:BENCHMARK 2台、DAKO:Autostainer Link48 1台)を新規に導入し、偽陽性/偽陰性の発現を最小限に抑え染色ムラのない再現性の優れた結果を提供しています。

切り出し

臓器または組織をスライドガラスに貼付できる大きさに切り出す。

固定法

ホルマリン緩衝液に浸し、組織の腐敗を抑えます。

薄切

3~5μmの厚さに切ってスライドガラスに貼り付けます。

染色

様々な色素を用いて、細胞や組織の構造を染め分けます。

封入

染色された組織標本を守るためにカバーガラスで覆います。

鏡検

顕微鏡で観察し組織診断が行われます。

細胞診断の検査

組織検査に比べ簡単に検査ができます。尿、痰、子宮頚部擦過物、胸水、腹水などが対象となります。まず最初に細胞検査士が異常細胞を見つけ出し細胞診専門医と検閲し最終判定します。
では、病理標本になる過程を説明します。

例えば、癌細胞が尿中に発見されれば膀胱癌、痰の中ならば肺癌が疑われます。ただし検体が乳腺のような場合は偽陽性(本当は癌ではないのに癌と診断)や偽陰性(本当は癌なのに癌ではない)と診断される事があり、細胞診断検査だけでは不十分な時もあり得ます。よって細胞診断検査は生検検査と違い100%確実というものではない事を知っておく必要があります。

染色

基本はパパニコロウ染色です。

細胞診断標本

細胞診断標本

封入

塗沫された細胞をカバーガラスで覆います。

鏡検

顕微鏡にて細胞を観察し、細胞を判定します。

細胞診検査中

細胞診検査中

解剖(剖検)

ご遺族の承諾のもとに、病死された患者さまの疾病の原因、診断及び治療効果の判定を行うもので病理解剖(剖検)ともよばれます。
つまり、生前その患者さまに対して、病名は正しかったのか?また、適切な治療が行われていたのか?直接的死因は何だったのか?を判定します。
所要時間には2~4時間で終了し、解剖の際になされる切開は着衣を着けるとわからなくなります。

術中迅速診断

術中迅速診断を行う部屋は手術室に隣接して位置し、手術中に迅速に対応できる環境にあります。
術前に悪性か良性かなどの確定診断がついていない病変や「乳房温存術」などの手術で切除範囲が問題となるような病変などについて「手術中」に行います。材料が提出されてから10~15分程度で診断結果が出ます。外科医はその診断結果によって手術方針(手術を中止するか、さらに拡大切除するかなど)を決定します。

以上が病理診断の概要です。なお病理標本作製は国家資格を持った「臨床検査技師」が行います。また、細胞診断には「細胞検査士」の存在が必要不可欠です。最終的な病理診断は病理医によって行われますが、「病理診断の質」は臨床検査技師や細胞検査士の技術にかかっています。
質の高い病理検査すなわち質の高い医療を提供する上で、優秀な臨床検査技師や細胞検査士は欠かせない存在なのです。