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目の検査

物を見るしくみ

私たちは、外部から入ってくる光(もの)をどのようにみているのでしょうか?
まず、眼に入った光は眼球を通過します。
眼球の構造・働きはカメラに例えるとわかりやすく理解できます。
角膜はレンズであり、光を屈折させます。虹彩は絞りの役割をし、眼球内に入ってくる光の量を調整します。水晶体はオートフォーカスのレンズで、網膜上にピントを合わせるために働きます。焦点が網膜にぴったり合っている時、はっきり見えると感じます。
網膜はフィルムであり、光を感じるための細胞が分布しています。
網膜細胞で光は電気信号に変換され、視神経を通って脳へと伝わります。脳まで到達して初めて光を感じることができます。

眼科には様々な検査があります。ここで全てをお話しすることはできないので、代表的な検査について簡単に説明したいと思います。もっと知りたい検査や内容がありましたら、眼科外来で直接聞いてください。

視力検査

視力検査は眼の検査としては代表的な検査なので、よく知っている人が多いと思います。
よく行われるやり方はランドルト環という○の切れ目がどこまでわかるかをチェックする方法です。
視力には裸眼視力・矯正視力・遠見視力・近見視力などいろいろありますが、眼科で見え方を評価する場合は主に矯正視力で行います。矯正視力とは近視や遠視・乱視などをレンズで矯正してその人がどれくらい見えるのかを表します。眼に病気がある場合は、どんなに強いレンズを入れても視力は出ないのです。そのため、視力検査は大切な視機能評価の1つであるといえ、眼疾患の管理や治療を進めるうえでも矯正視力は、必要不可欠なものといえます。正しい評価を受けるために、目を細める、前かがみになる、眼鏡の上から覗くなどはしないようにしましょう。

小児の場合の視力検査はちょっと様子が違うかもしれません。それはどこまで見えるかだけでなく、きちんと視力が発達しているかどうかを検査しているからです。年齢に応じた視力発達がない場合や、視力値に左右差がある場合には早急に原因を探し、適切な治療を受ける必要があります。
老眼(老視)も視力検査で評価します。が、この場合は近見視力検査といって30cmの距離でどこまで見えるかをチェックします。老視とは、年齢とともにピント合わせの機能が衰えてくるため、遠くや近くなど距離が変わるものにすんなりピントを合わせることができない状態を言います。その症状は一般には40歳ごろから出はじめ、60歳位まで徐々に進行します。無理をして近くを見ることは眼精疲労や頭痛・肩こりなどの原因となります。必要に応じた眼鏡を使用することをお勧めします。老眼鏡を使うからといって、老眼が進行することはありません。

眼圧検査

眼圧とは眼の硬さのことをいいます。眼内には房水という水があり、防水の産生量と排出量によって硬さのバランスを保っています。房水の産生量が排出量を上回ると眼圧が高くなり、眼球は硬くなります。眼圧が高くなると視神経が圧迫され、視神経がダメージを受けて視野に影響が出ることがあります。これが緑内障という病気です。
逆に、眼圧が低いと眼球は軟らかい状態になります。眼圧が低くなると眼球が委縮して網膜にしわが寄り、見え方が悪くなります。

眼圧の値を知ることは、緑内障をはじめとする疾患の診断・治療の過程でたいへん重要であり、眼圧検査は不可欠な検査といえます。
緑内障以外でも、ステロイドなど眼圧を上昇させることがある薬を使用している場合や、レーザー治療や手術によって眼圧の変動が考えられる場合は、眼圧の値を確認することが大切です。ちなみに血圧とは関係ありません。
一般的な測定方法は、測定器械の顎台に顎を乗せて頂き、目に風を数回当てて測ります。痛くはありませんが、ビックリする方がいます。

視野検査

視野とは眼を動かさずに見えることのできる範囲のことをいいます。目を動かさないで見る一点を「固視点」といいますが、視野はその固視点を中心として角度で表します。人では片目でだいたい耳側に100°鼻側に60°上方に60°下方に70°位の範囲が見えるといわれています。正常な方でも年齢やその時の体調など状態によってこの広さは変わってきます。
眼の病気の中にはこの視野に大きく影響する物があり、その病気の進行状態や程度を知るのに重要な指標といえます。

この視野を調べる検査には大きく分けて2種類あります。視野の全体の広さを調べる方法と、視野内の感度を検査する方法があります。前者を「動的視野検査」後者を「静的視野検査」といいます。どちらを施行するかは病気の種類や進行状態によって変わってきます。

1)動的視野検査

動的視野検査は、どのくらいの広さが見えるかを、指標の大きさと明るさを何段階かに変化させながら調べていきます。一定の指標を、見えないところから見えるところへと動かしていき、その指標が見え始めた位置をボタンで教えてもらいそれを検査用紙にプロットしていきます。このプロットを一定な指標同士で結ぶと曲線が得られます。指標を変えることでいくつかの曲線が得られ、これを検査用紙に描いていき視野を評価していきます。正常な視野では卵形の曲線が同心円状に並んだ図形が描かれることになります。眼に病気があったりするとこの形がゆがんだりすることがあります。

2)静的視野検査

静的視野検査は、一定の大きさの指標を特定の位置に固定し、動かさずにその場所で明るさを変化させて、見えた明るさを測定することで視野の視角感度を評価する検査法です。こちらの検査は病気に対するスクリーニングとしてよく使用されます。

検査器機は違いますが、どちらの検査も中心の一点を見ているとき、周辺に光が見えたら合図をしていただくという方法で、検査を進めていきます。この時注意していただきたいのは、眼はキョロキョロ動かさずに一点だけを見ていただくという点です。先にも述べましたが視野とは眼を動かさずに見えることのできる範囲のことをいいますので、眼を動かしてしまうと検査の意味がなくなってしまいます。検査時間は症状や状態によって前後しますが、動的視野検査は片目で10~15分くらい、静的視野検査は4~5分くらいかかります。

涙液検査

眼の表面は、常に適正な量と質の涙におおわれることによりその恒常性が維持されています。ドライアイとはこの涙の量または質の異常により角膜の上皮が障害された状態をいいます。涙の量を調べる検査は眼の下まぶたに検査用のメモリのついた紙を入れて涙の量を測っていきます。検査方法は病院によって異なりますが、代表的なものとしては

  1. 1 .麻酔の目薬を点眼する。
  2. 2 .眼の下まぶたに検査用紙を5分入れる。
  3. 3 .検査用紙がどのくらい濡れたかを測定する。

これで検査は終了です。
この結果、10mm以下だと涙の量が少ないとの評価となります。

眼底検査

無散瞳眼底検査と散瞳眼底検査

人間ドックや検診では無散瞳にて眼底写真を撮り、検査を済ませることがほとんどだと思います。無散瞳で眼底検査ができるなら散瞳する必要がないのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?無散瞳眼底検査と散瞳眼底検査との大きな違いは網膜の観察範囲の違いです。散瞳すれば黄斑部から周辺部まで眼底全体を精密に観察することができます。そのため眼科での眼底検査はほぼ全例散瞳して眼底検査ということになります。

  • 正常眼底(右眼)

    正常眼底(右眼)

  1. 1 .視神経乳頭:橙赤色から黄白色の円形の部位で、数多くの眼の神経が集まり眼外に出て視神経となります。
  2. 2 .網膜静脈:動脈よりも血管が太く暗赤色で濃く見えます。
  3. 3 .網膜動脈:橙赤色の明るい色の血管が網膜動脈です。
  4. 4 .黄斑部:黄斑部の変性や浮腫、円孔などの各疾患や色調を観察します。
  5. 5 .中心窩:網膜血管がなく感度が高いので、良好な視力を得るために最も大切な部位です。

散瞳について

散瞳とは瞳孔が開いた状態のことをいいます。通常、瞳孔の大きさは周りの明るさによって大きさを変え、眼に入ってくる光の量を調整していますが、薬によって瞳孔の大きさを大きくしたままにするのです。こうすることで、白内障や眼底の様子を詳しく見ることが出来るようになります。しかし、次のようなことに注意する必要があります。

  1. 1 .散瞳するとできなくなる眼の検査があります。それら全てを散瞳前に済ませて置く必要があります。
  2. 2 .すべての患者さまが無条件に散瞳薬を点眼していいわけではありません。散瞳薬の点眼をきっかけに眼圧が急激に上昇し、緊急処置が必要になることがあります。それを未然に防ぐ為には散瞳前には必ず医師による診察が必要です。
  3. 3 .散瞳薬を点眼して眼底検査ができるまで最低30分はかかります。
  4. 4 .散瞳すると眼に入る光の量を調整できなくなるため、まぶしく見づらくなります。また、そのため遠近感もとりづらくなります。
  5. 5 .個人差もありますが、検査後も散瞳している状態が数時間(3~5時間)持続します。その間は車の運転や近業作業ができなくなります。

どんなときに眼底検査が必要なの?

次のような状態があるときは眼底の病気を考え、眼底検査を行うことがあります。

  1. 1 .飛蚊症(虫が飛ぶように見える)があるとき
  2. 2 .変視症(物が歪んで見える)があるとき
  3. 3 .視野欠損(視野の一部が欠けて見える)があるとき
  4. 4 .中心暗点(中心部が暗い)があるとき
  5. 5 .急に暗くなったとき、もしくは、見えなくなったとき
  6. 6 .症状なくても糖尿病や高血圧があるとき

など
もちろん上記の状態がなくても、医師の判断で眼底検査を行うことがあります。詳しくは診察時に医師に聞いてみてください。