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血液・腫瘍内科

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診療内容

亀田総合病院の血液・腫瘍内科は1990年より開設されました。この間房総半島における白血病、悪性リンパ腫や骨髄腫の治療の中心施設として多くの患者さまの治療に当たってきております。現在では常時80前後の患者さまが入院されており本邦でももっとも大きな血液疾患の治療施設の一つとなっております。さらに当科は日本血液学会の専門医研修施設、日本骨髄バンク認定非血縁者間骨髄移植および骨髄採取指定施設、日本臍血バンク認定臍帯血移植施設として千葉県の血液疾患治療の中心的な施設となっており近年では房総半島、千葉県だけでなく都内やそれ以外の地方からの患者さまも増加してきています。

病棟での診療はシニアレジデント以上のスタッフ6名に加え常時ジュニアレジデント1〜2名の医師で患者さまの治療を担当しております。特に骨髄移植、末梢血幹細胞移植などを用いた治療では、既に多くの経験と実績を上げております。骨髄移植は1990年から開始されこれまでに同種幹細胞移植の試行数は200例を超しております。最近の3年間の移植数は年間20−30例となっています。また悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植も積極的に行っており、これまでのべ100例を超える自家移植が行われております。これらを行う施設としては新しくできたKタワー9階に無菌室16床を含む36床、また旧棟のB棟5階に無菌室2床を含む43床が常時フル稼働しています。

亀田総合病院では、どの患者さまにも最新鋭の機器による最新の治療を行えるように努力しております。たとえば画像診断の分野では、どの科においてもPETをはじめ、MRI、CTなどによる画像診断検査が緊急な場合を含めて必要に応じて行える体勢がとられております。この事は急変する病態が多い血液悪性腫瘍の患者さまにとってはきわめて重要なであり、高度医療を行う上で必須であると考えられます。
臨床検査センターにはFACSが導入され、30種類を越えるモノクローナル抗体を用いた白血病・リンパ腫の表面抗原の解析診断がルーチンに行われ、様々の造血器悪性腫瘍のモノクローナル抗体による診断が迅速に行える体制がとられております。また、再生不良性貧血、骨髄異形性症候群ではPNH赤血球の高感度測定法による測定をおこない、免疫抑制療法が有効と思われる再不貧やMDSのサブグループの診断が行われております。特にリンパ腫の診断では病理部門との協力によりリンパ節生検が行われてから3日以内で表面マーカの解析とH-E標本ができる体制がとられ急速に進行する造血器悪性腫瘍にたいして的確な診断と治療が行われる体制をとっています。病理診断に関しても国内でも有数の血液病理専門医が隔週で来院し病理診断をより確かなものとしています。またFISHやPCRを用いての遺伝子診断も多くの疾患でルーチンに行われ正確な診断を基に国内的にはもちろん国際的にも最新の診断と治療が行われています。

また、最近の高齢化に伴い骨髄腫の患者さまの増加は著しく、当院でも入院の新患患者さまの数は年間20〜30例にのぼっており、私たちはこれらの患者さまの治療に特に力を入れております。当院ではサリドマイドによる治療が9年前より開始されており、多くの患者さまが本剤による治療を受けられています。また新しい分子標的治療薬であるベルケードを用いた治療もこれまでに100例以上の症例を越す症例を経験し、さらに進行した骨髄腫の患者さまにおいても自家末梢血幹細胞移植によって長期寛解を得られるようになってきています。当院では基本的には65才以下で長期的に自家末梢血幹細胞移植が必要となる可能性のある患者さまでは、従来のメルファラン+プレドニン療法では自家末梢血幹細胞の採取が十分にできなくなる可能性があることからできるだけ早い時点から、ベルケード、サリドマイド、デキサメサゾン大量療法による寛解導入と末梢血幹細胞の採取を行う治療を原則にしています。また自家末梢血幹細胞移植の対象とならない患者さまではメルファラン+プレドニン+サリドマイドを用いた寛解導入療法を原則的に行っていますが、ベルケードが保険適応となりさらに効果的な治療が可能となっています。また一部のきわめてhigh riskの患者さまに対しては同種幹細胞移植を行うこともありますが、その適応は慎重に考慮する必要があるものと考えています。また、骨髄腫では骨病変のために寝たきり状態で来院される患者さまも少ないのですが、骨病変に対してはベルケードが有用であることが最近明らかにされてきています。最近、私たちは骨病変を正確に評価するために、Multi-slice CTを用いて骨髄腫の病変の評価をより正確におこなっておりこのような骨病変のため日常生活制限される患者さまの治療をより効果的に行うことができるようになっています。

さらに当院では一昨年より骨髄腫の重要な検査であるフリーライトチェーンの測定を一部の患者様で研究目的でおこないました。これにより特にベンスジョンズ型骨髄腫や非分泌型骨髄腫の正確な診断や治療効果の判定が可能であることが判明しました。また、また当院ではデキサメサゾン大量療法を中心とした化学療法を行うことで患者さまが腎不全から回復し、透析離脱が可能となることを見いだしています(Ann Hematology 2010;89:291-297. )。このように私たちは骨髄腫に対して最新の治療をおこない、さらにリハビリ部門の全面的な協力のもとに多くの患者さまが歩けるようになって退院することができることを目指した治療を行っております。

造血幹細胞移植は当科でもっとも力をいれている分野の一つですが、先に述べましたように年間20−30例の臍帯血、末梢血幹細胞、骨髄移植をおこなっています。当科の特徴としては地域性を反映して高齢者での移植が多いことです。 当院での最近の移植患者さまの年齢の中央値は58才となっております。60才以上の患者さまに対しても同種幹細胞移植を積極的におこなっており、60才以下の患者さまと遜色ない良好な成績が上げられています。またいくつもの臓器障害を有したり、治療抵抗性であったりする難治例での移植にも積極的に取り組んでいますが、今後はこれらの患者さまの治療成績の向上が課題と思われます。これらの重症の患者さまの移植を安全かつ効果的に行うために、GVH病のコントロールに必要なサイクロスポリン、タクロリムスの血中濃度の緊急測定、真菌感染におけるアスペルギルス抗原の院内測定といった新しい治療に必要な検査のサポートが受けられる体制がとられております。輸血部では血液細胞の分離保存専用のクリーンベンチを始め、血液照射装置、血液成分分離装置、大型液体窒素タンク、-135℃の超低温冷蔵庫2台などが備えられ、造血細胞のプロセッシングと保存が行われており最先端の血液疾患の診断と治療に対応できます。放射線部ではライナックが備えられ、CTやMRI、PETなどの最先端の診断機械なども多く備えられています。

学会活動としては、日本血液学会、日本臨床血液学会、リンパ網内系学会、日本造血幹細胞学会、American Society of Blood and Marrow Transplantation、American Society of Hematologyなどの学会に積極的に参加・発表しております。当科より発信されたここ数年の業績としては、ミカファンギンのよるトリコスポロン症のbreak through, アスペルギルスガラクトマンナンの測定と喀痰ガラクトマンナン抗原測定の肺アスペルギルス感染症に対する有用性、血管内大細胞型B細胞リンパ腫の診断とランダム皮膚生検の有効性、幹細胞移植患者やリツキシマブ投与患者におけるB型肝炎の再活性化、イマチニブ服用患者におけるα2プラスミン活性の低下と粘膜出血、透析依存性の腎不全をともなった骨髄腫の患者の透析離脱と血清のフリーライトチェーンの測定など多岐にわたっています。その他にも当院の特徴である電子カルテシステムを利用した質の高い臨床研究を立案し、積極的に行うことで今後とも当院から有用な情報を世界に発信できるように努力してゆきたいと考えております。

このようにすぐれた設備、医療環境のもとで私たちは国の内外をリードする創造的な血液・腫瘍内科を目標に、最新の知見に基づいた診断や治療をおこない、患者さまやそのご家族に満足して頂ける医療を目指して共に今後も努力してゆきたいと考えております。

部長;末永孝生/1975年 鹿児島大学卒。金沢大学第3内科医員、助手、輸血部講師を経て1989年6月より現職。この間1984年〜1986年 米国フレッドハッチンソンガン研究所にて骨髄移植後の免疫不全についての研究のため留学。医学博士。
 内科学会認定医。血液学会専門医、指導医
部長代理;竹内正美/1993年 佐賀医科大学卒。亀田総合病院レジデントを経て1996年より血液・腫瘍内科医員、1998年10月医長。2007年4月から輸血科が新設され部長代理に就任し、血液・腫瘍内科の医員として兼務している。
医長;山倉昌之/2000年 札幌医科大学卒。北海道大学病院内科ローテートを経て2001年より市立函館病院、2002年釧路赤十字病院,2003年北見赤十字病院,2004年北海道大学病院,2006年4月より亀田総合病院、2007年4月より医長。
 内科学会認定医、血液学会専門医
後期研修医;高梨葉子/2006年 千葉大学卒。亀田総合病院レジデントを経て2009年4月より現職

業績 2006年以降 *は共同研究
1)Matsue K, Uryu H, Koseki M, Asada N, Takeuchi M. Breakthrough Trichosporonosis in patients receiving micafungin. Clin Infec Dis. 2006; 42:753-757

2) Matsue K, Takeuchi M. Bone marrow necrosis associated with the use of imatinib mesylate in a patient with acute lymphoblastic leukemia. Ann Hematol. 2006;85(8):542-4.

3) Asada, Uryu H, Koseki M, Takeuchi M, Komatsu M, Matsue K. Successful treatment of breakthrough Trichosporon asahii fungemia with voricaonazole in a patient with acute myeloid leukemia. Clin Infec Dis 2006; 43:e39-41.

4) Matsue K, Asada N, Sugita T. Reply to Rodorigues-Tudela and Cuenca-Estrella.
Clin Inf Dis. 2006;43: 1370-1371

5)Matsue K, Takeuchi M, Uryu H, Koseki M, Asada N, Kaneko Y. Rapid improvement of hypoxemia by the use of rituximab in patients with pulmonary intravascular lymphoma. Leuk Lymphoma. 2007;48(1):197-200.

6) Odawara J, Asada N, Aoki T, Ymakura M, Takeuchi M, Ohuchi T, Matsue K, 18F-Fluorodeoxyglucose position emission tomography for evaluation of intravascular large B-cell lymphoma. Br J Haematol 2007;136(5):684

7) Tsubokura M, Asada N, Odawara, Aoki T, Yamakura M, Takeuchi M, Matsue K Identification of cardiac metastasis of primary gastric diffuse large B-cell lymphoma. Br J Haematol. 2007;137(3):179.

8) Matsuda K, Hiraki A, Fujii N, Watanabe T, Tanaka M, Matsue K, Ogama Y, Ouchida M, Shimizu K, Ikeda K, Tanimoto M. Loss or down-regulation of HLA class I expression at the allelic level in freshly isolated leukemic blasts. Cancer Sci. 2007;98(1):102-8

9) Asada N, Odawara J, Kimura S, Aoki T, Yamakura M, Takeuchi M, Matsue K, Use of Random Skin Biopsy for Diagnosis of Intravascular Large B Cell Lymphoma. Mayo Clin Proc. 2007;82(12):1525-31.

10) 木村俊一、岩塚良太、青木孝友、小田原 淳、浅田 騰、山倉昌之、竹内正美、末永孝生、IgD-λ型のM蛋白血症を呈した原発性アミロイドーシス 臨床血液 2007; 48:1555-1558.

11)Koseki M, Asada N, Uryu H, Takeuchi M, Asakura H, Matsue K, Successful combined use of tranexamic acid and unfractionated heparin for life-threatening bleeding associated with intravascular coagulation in a patient with chronic myelogenous leukemia in blast crisis.
Int J Hematol 2007 ;86:403-6

12) Matsue K, Takeuchi M, Yamakura M, Asada N, Kimura S-I, Odawara J, Aoki T
A clinicopathological study of 13 cases of intravascular lymphoma: experience in a single institution over a 9-yr period. Eur J Haematol 2008;80(3):236-44

13) *Shimada K, Matsue K, Yamamoto K, Murase T, Ichikawa N, Okamoto M, Niitsu N, Kosugi H, Tsukamoto N, Miwa H, Asaoku H, Kikuchi A, Matsumoto M, Saburi Y, Masaki Y, Yamaguchi M, Nakamura S, Naoe T, Kinoshita T. Retrospective Analysis of Intravascular Large B-Cell Lymphoma Treated With Rituximab-Containing Chemotherapy As Reported by the IVL Study Group in Japan. J Clin Oncol. 2008;26(19):3189-3195.

14) Yamakura M, Araki K, Kimura S-I, Odawara J, Aoki T, Takeuchi M, Matsue K. Use of Urine Cytology in the Diagnosis of Genitourinary Relapse of Acute Promyelocytic Leukemia after Allogenic Stem Cell Transplant. Int J Hematol 2008:88;251-252

15) *Kim SW, Matsuo K, Fukuda T, Hara M, Matsue K, Taniguchi S, Eto T, Tanimoto M, Wake A, Hatanaka K, Nakao S, Ishida Y, Harada M, Utsunomiya A, Imamura M, Kanda Y, Sunami K, Kawano F, Takaue Y, Teshima T. Reduced-intensity unrelated donor bone marrow transplantation for hematologic malignancies Int J Hematol. 2008 Oct;88(3):324-30

16) Matsue K, Aoki T, Odawara J, Kimura SI, Yamakura M, Takeuchi M. Haemorrhagic complications associated with reduced alpha2-plasmin inhibitor during imatinib use in a patient with Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukaemia. Leuk Res. 2009; 33:867-869.
.
17) Matsue K, Fujiwara H, Sandoh EI. Matsue K, Fujiwara H, Sandoh EI. (18)F-Fluorodeoxy- glucose Positron Emission Tomography in Primary Cutaneous NK/T Cell Lymphoma, Nasal type. Eur J Haematol. 2009;82:493-494.

18) Matsue K, Odawara J, Kimura SI, Yamakura M, Takeuchi M. 18)F-Fluorodeoxyglucose Avid Liver Lesion in a Patient with Multiple Myeloma. Eur J Haematol. 2009; 83:163-164.

19) Matsue k, Matsuo K, Fujiwara H, Iwama K-I, Hayama BY, Kimura S-I, Yamakura M, Takeuchi M. Diminished alpha2-plasmin inhibitor activity associated with the use of imatinib mesylate in patients with Philadelphia chromosome-positive haematologic cancer. Thromb Haemost 2009;101(6): 1170-71

20) Shun-ichi Kimura, Jun Odawara, Takatoshi Aoki, Masayuki Yamakura, Masami Takeuchi, Yoshihiko Watanabe, Kosei Matsue. Use of tranexamic acid for disseminated intravascular coagulation with excessive fibrinolysis associated with aortic dissection
in a Patient with Chronic Renal Failure. Int J Hematol 2009; 89:549-52.

21) Matsue K, Aoki T, Odawara J, Fujiwara H, Iwama K-I, Kimura K-I, Yamakura M, Takeuch M. High risk of hepatitis B -virus reactivation after hematopoietic cell transplantation in hepatitis B core antibody-positive patients. Eur J Haematol 2009;83:357-64.

22) Matsue K, Fujiwara H, Iwama KI, Kimura SI, Yamakura M, Takeuchi M. Reversal of dialysis-dependent renal failure in patients with advanced multiple myeloma: single institutional experiences over 8 years. Ann Hematol. In press

23) Kimura SI, Odawara J, Aoki T, Yamakura M, Takeuchi M, Matsue K. Detection of Sputum Aspergillus Galactomannan for Diagnosis of Invasive Pulmonary Aspergillosis in Haematological Patients. Int J Hematol. in press.

24) Matsue K, Kimura S-I, Takanashi Y, Iwama K-I, Fujiwara H, Yamakura M, Takeuchi M. Reactivation of hepatitis B virus after rituximab-containing treatment in patients with CD20-positive B-cell lymphoma. Cancer in press.

25) Fujiwara H, Odawara J, Hayama BY, Takanashi Y, Iwama K-I, Yamakura M, Takauchi M, Matsue K. Gross hematopyuria presenting as a first symptom due to the bladder infiltration of extranodal Burkitt lymphoma. J Clin Oncol in press.

連携医療機関:
【金沢大学 血液内科・呼吸器内科】 http://www.3nai.jp/