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医師主導治験に係わる標準業務規程

2019-09-01 制定 / 2019-09-24 更新

1. 治験の原則

1.1 治験は、次に掲げる原則に則って実施されなければならない。

  1. 1 .治験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及びGCPを遵守して行われなければならない。
  2. 2 .治験を開始する前に、個々の被験者及び社会にとって期待される利益と予想される危険及び不便とを比較考量するものとする。期待される利益によって危険を冒すことが正当化される場合に限り、治験を開始し継続すべきである。
  3. 3 .被験者の人権、安全及び福祉に対する配慮が最も重要であり、科学と社会のための利益よりも優先されるべきである。
  4. 4 .治験薬に関して、その治験の実施を支持するのに十分な非臨床試験及び臨床試験に関する情報が得られていなければならない。
  5. 5 .治験は科学的に妥当でなければならず、治験実施計画書にその内容が明確かつ詳細に記載されていなければならない。
  6. 6 .治験は、治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して実施しなければならない。
  7. 7 .被験者に対する医療及び被験者のためになされる医療上の決定に関する責任は、医師又は歯科医師が常に負うべきである。
  8. 8 .治験の実施に関与する者は、教育、訓練及び経験により、その業務を十分に遂行しうる要件を満たしていなければならない。
  9. 9 .全ての被験者から、治験に参加する前に、自由意思によるインフォームド・コンセントを得なければならない。
  10. 10 .治験に関する全ての情報は、正確な報告、解釈及び検証が可能なように記録し、取扱い、及び保存しなければならない。
  11. 11 .被験者の身元を明らかにする可能性のある記録は、被験者のプライバシーと秘密の保全に配慮して保護しなければならない。
  12. 12 .治験薬の製造、取扱い、保管及び管理は、医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)に準拠して行うものとする。治験薬は治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して使用するものとする。
  13. 13 .治験のあらゆる局面の質を保証するための規定を示したシステムが、運用されなければならない。
  14. 14 .治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合には、過失によるものであるか否かを問わず、被験者の損失は適切に補償されなければならない。
    その際、因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにしなければならない。

2.目的

2.1 本規程は、医薬品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という)の製造販売承認申請の際に提出すべき資料の収集のために行われる臨床試験(以下、「治験」という)の計画、実施、モニタリング、監査、記録、解析及び報告等に関する遵守事項を定め、被験者の人権、安全及び福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的とする。

2.2 本規程は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年3月27日、厚生省令第28号。以下「医薬品GCP省令」という。)、「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成16年12月20日、厚生労働省令第171号。以下「医薬品GPSP省令」という。)、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成17年3月23日、厚生労働省令第36号。以下「医療機器GCP省令」という。)、「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成17年3月23日厚生労働省令第38号。以下「医療機器GPSP省令」という。)、「再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成26年7月30日、厚生労働省令第89号。以下「再生医療等製品GCP省令」という。)、「再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成26年7月30日、厚生労働省令第90号。以下「再生医療等製品GPSP省令」という。)及び、その他関連法規及び関連通知に基づいて、治験の実施に必要な手続きと運営に関する規程を定めるものである。

2.3 「自ら治験を実施しようとする者」とは、その所属する実施医療機関において自ら治験を実施するために治験の計画を厚生労働大臣に届け出ようとする者であって、治験責任医師となるべき医師又は歯科医師(一の治験実施計画書に基づき複数の医療機関において共同で治験を行う場合にあっては、代表して同項の規定に基づき治験の計画を届け出ようとする治験調整医師となるべき医師又は歯科医師を含む。)をいう。「自ら治験を実施する者」とは、その所属する実施医療機関において自らが治験を実施するために治験の計画を厚生労働大臣に届け出た治験責任医師(一の治験実施計画書に基づき複数の医療機関において共同で治験を行う場合にあっては、代表して同項の規定に基づき治験の計画を届け出た治験調整医師を含む。)をいう。また、「医師主導治験」とは、「自ら治験を実施する者」が実施する治験をいい、「治験薬提供者」とは、自ら治験を実施する者に対して治験薬を提供する者をいう。本手順書においては、「自ら治験を実施する者」を「治験責任医師」と呼ぶこととする。

3. 適用範囲

3.1 本規程は、人を対象として、被験薬の臨床的、薬理学的及びその他の薬力学的効果の検出又は確認、被験薬の副作用の確認、被験薬の安全性及び有効性を確認するための被験薬の吸収、分布、代謝及び排泄の検討等を行う試験で、医薬品等の製造販売承認申請又は承認事項の一部変更承認申請の際に提出すべき資料の収集のために行う医師主導治験に対して適用する。

3.2 医薬品等の再審査申請、再評価申請又は副作用調査の際提出すべき資料の収集のための製造販売後臨床試験を行う場合には、医薬品GCP省令第56条及び医療機器GCP省令第76条及び再生医療等製品GCP省令第76条に準じ、本規程にある「治験」を「製造販売後臨床試験」と読み替えて適用する。

3.3 医療機器の治験を行う場合には、「医薬品」、「治験薬」、「有害事象/副作用」及び「同一成分」とあるものを「医療機器」、「治験機器」、「不具合又は不具合による影響」及び「同一構造および原理」と読み替えることにより、本手順書を適用する。再生医療治験を行う場合には、「医薬品」、「治験薬」、「被験薬」、「有害事象/副作用」及び「同一成分」とあるものを「再生医療等製品」、「治験製品」、「被験製品」、「不具合又は不具合による影響」及び「同一細胞又は導入遺伝子」と読み替えることにより、本手順書を適応する。

3.4 本規程は亀田メディカルセンター(医療法人鉄蕉会亀田総合病院・医療法人鉄蕉会亀田クリニック・医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院)で行う治験に適用する。

4. 主管部門

4.1 本規程の主管部門は治験管理センターにある。亀田総合病院の院長が制定と改廃の責任と権限をもつ。亀田クリニック・亀田リハビリテーション病院に関しては、亀田総合病院の制定に準じて、各院長が改廃の責任と権限をもつ。
ただし本規程内に具体的に責任者を示している場合は、その者に責任と権限を委譲する。

4.2 治験管理センターは下記から構成される。

  • センター長:薬剤管理部長
  • 薬剤師、看護師
  • 事務員

5. 改訂

本規程の改訂は、治験管理センター業務検討会で協議し、年1回見直しを行い、院長の承認を得る。

6. 組織

医療法人鉄蕉会に治験管理センターを設置し、医療法人鉄蕉会亀田総合病院・医療法人鉄蕉会亀田クリニック・医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院の治験に関わる業務を治験管理センターが管理する。

7. 治験受託体制

7.1 治験の実施は医療法人鉄蕉会 亀田総合病院又は医療法人鉄蕉会 亀田クリニック又は医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院で実施する。

7.2 医療法人鉄蕉会亀田総合病院は、亀田メディカルセンターで実施する治験において、被験者の予期せぬ緊急時に対して必要な措置を講じる。

7.3 モニタリング・監査等の当施設における治験活動は、治験責任医師により治験担当者と指名された者のみとする。

8. 院長の業務

8.1 (治験委託の申請等)

書式は統一書式を使用する。統一書式の作成に関しては、カット・ドゥ・スクエアを用いて作成を行う。なお、詳細は治験関連文書の電磁化に関する標準業務手順書を参照する。

  1. 1 .院長は、治験責任医師に[治験依頼書]、[履歴書][治験分担医師・治験協力者リスト]及び治験実施計画書等の審査に必要な資料を提出させる。
    注)治験審査委員会業務手順書 参照
  2. 2 .院長は、治験責任医師より提出された[治験分担医師・治験協力者リスト]に基づき、治験関連の重要な業務の一部分を分担させる者を了承する。
  3. 3 .院長は、当院の治験審査委員会では公正かつ適正な調査審議ができない等の理由により調査審議が不十分と判断した場合は、当院以外の適切な委員会を選択し、調査審議を依頼する。

8.2 (治験実施の承認、修正の上で承認、却下等)

  1. 1 .院長は、治験の実施を了承する前に、[治験審査依頼書]及び治験実施計画書等の審査の対象となる文書を治験審査委員会に提出し、治験の実施について治験審査委員会の意見を求める。
  2. 2 .院長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、その旨を[治験審査結果通知書]で通知してきた場合は、これに基づく院長の指示、決定を[治験審査結果通知書]により、治験責任医師に通知する。
  3. 3 .院長は、治験審査委員会が、治験実施計画書、症例報告書、同意説明文書及びその他の説明文書並びに、その他の規定について何らかの修正を条件に治験の実施を承認する決定を下し、その旨を[治験審査結果通知書]で通知してきた場合は、これに基づく院長の指示、決定を[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。
    修正を条件に治験の実施を承認し、その点につき治験責任医師が修正した場合には、[治験実施計画書等修正報告書]及び該当する資料を提出させる。また、「治験審査依頼書」、[治験実施計画書等修正報告書]及び該当する資料を治験審査委員長に提出する。治験審査委員長は、修正事項の確認を行う。
    院長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、その旨を[治験審査結果通知書]によって通知してきた場合は、これに基づく院長の指示・決定を[治験審査結果通知]により治験責任医師に通知する。
  4. 4 .院長は、治験審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨を[治験審査結果通知書]で通知してきた場合は、治験の実施を了承することはできない。院長は、治験の実施を了承出来ない旨の院長の決定を[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。
  5. 5 .院長は、治験責任医師から治験審査委員会の審査結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書、症例報告書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じる。
  6. 6 .院長は、治験責任医師から審査結果に対して異議申し立てがあった場合は、治験審査委員会に再審議を依頼する。

8.3 (治験の継続)

  1. 1 .院長は、実施中の治験において少なくとも年1回、治験責任医師に[治験実施状況報告書]を提出させる。
  2. 2 .院長は、[治験審査依頼書]及び[治験実施状況報告書]を治験審査委員会に提出し、治験の継続について治験審査委員会の意見を求める。
  3. 3 .院長は、治験審査委員会が審査結果に基づく指示、決定を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。
  4. 4 .院長は、修正を条件に承認する場合には、8.2(3)に準じる。
  5. 5 .院長は、治験審査委員会が実施中の治験の継続審査等において、治験審査委員会が既に承認した事項の取消し(治験の中止又は中断を含む)の決定を下し、その旨を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、これに基づく院長の指示、決定を[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。
  6. 6 .院長は、治験責任医師から治験審査委員会の継続審査の結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書、症例報告書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じる。

8.4 (審査対象となる文書の変更)

  1. 1 .院長は、治験期間中、治験審査委員会の審査対象となる文書が追加、更新又は改訂された場合は、治験責任医師から[治験に関する変更申請書]を速やかに提出させる。
  2. 2 .院長は、治験の継続の可否について、治験審査委員会の意見を[治験審査依頼書]、[治験に関する変更申請書]をもって求める。
  3. 3 .院長は、治験審査委員会が審査結果に基づく指示、決定を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。

8.5 (治験実施計画書からの逸脱)

  1. 1 .院長は、治験責任医師より緊急回避のための治験実施計画書からの逸脱の報告があった場合は、[緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書]を提出を受ける。
  2. 2 .院長は、治験審査委員会の意見を[治験審査依頼書]と[緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書]をもって求める。
  3. 3 .院長は、治験審査委員会が審査結果に基づく指示、決定を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。
  4. 4 .院長は、治験責任医師より治験実施計画書からの逸脱報告があった場合は、[治験実施計画書からの逸脱(緊急の危険回避の場合を除く)に関する報告書]の提出を受け、治験審査委員会に報告する。

8.6 (重篤な有害事象の発生)

  1. 1 .院長は、重篤な有害事象の報告があった場合は、治験責任医師より[重篤な有害事象に関する報告書]、[新たな安全性に関する確認書]を提出させる。
  2. 2 .院長は、治験審査委員長に[重篤な有害事象に関する報告書]、[新たな安全性に関する確認書]を提出し、臨時の治験審査委員会開催の有無を確認する。
  3. 3 .院長は、治験審査委員会の意見を[治験審査依頼書]、[重篤な有害事象に関する報告書]をもって求める。
  4. 4 .院長は、治験審査委員会が審査結果に基づく指示、決定を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。

8.7 (重大な新たな安全性に関する情報の入手)

  1. 1 .被験者の安全に悪影響を及ぼし当該治験の実施に影響を与える可能性のある重大な新たな情報には、以下のものが含まれる。
    ① 他施設で発生した重篤で予測できない副作用
    ② 予測できる重篤な副作用の発現頻度の増加
    ③ 生命を脅かすような疾患に使用される治験薬が、その効果を有さないなどの情報
    ④ 変異原性、がん原性あるいは催奇形性など、被験者に重大な危険を示唆する成績
  2. 2 .院長は、新たな安全性に関する情報を入手した場合は、以下の業務を行う。
    ① 治験責任医師に[安全性情報等に関する報告書]を提出させる。
    ② 治験責任医師に[新たな安全性に関する確認書]を提出させる。
    ③ 治験の継続の可否について治験審査委員会の意見を[治験審査依頼書]、[安全性情報等に関する報告書]をもって求める。
    ④ 治験審査委員会が審査結果に基づく指示、決定を[治験審査結果通知書]により通知してきた場合は、[治験審査結果通知書]により治験責任医師に通知する。

8.8 (治験の中止、終了)

  1. 1 .院長は、治験責任医師が治験の中止、被験薬の開発中止を決定した場合もしくは製造承認がされた場合には、[開発の中止等に関する報告書]の提出を求める。なお、治験が中止又は中断された場合には文書中にその詳細が説明されていなければならない。治験審査委員会に対し、速やかにその旨を[開発の中止等に関する報告書]により報告する。
  2. 2 .院長は、治験責任医師が治験を中止又は終了を[治験の終了(中止・中断)報告書]により報告してきた場合には、治験審査委員会には[治験の終了(中止・中断)報告書]に記名押印又は署名し報告、提出する。
  3. 3 .中断の報告がされた治験を再開する場合は、再度、[治験依頼書]にて治験を依頼する。

8.9 (直接閲覧)

院長は、治験責任医師が指名した者によるモニタリング及び監査、並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れる。院長は、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供する。なお、その規程に関してはモニタリングおよび監査標準業務手順書に定める。

8.10 (理事会への報告)

院長は、部長会で報告された治験審査委員会資料「現在治験中品目」を用いて理事会で治験の受託状況を報告する。

9.治験審査委員会

9.1 (治験審査委員会の設置)

  1. 1 .治験審査委員会は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行うため、医療法人鉄蕉会亀田総合病院 院長が設置する。
  2. 2 .治験審査委員会の委員は医療法人鉄蕉会亀田総合病院 院長が指名する。
  3. 3 .院長は、自らが設置した治験審査委員会に出席することはできるが、委員になること並びに審議及び採決に参加することはできない。
  4. 4 .治験審査委員会は医療法人鉄蕉会亀田総合病院、医療法人鉄蕉会亀田クリニック、医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院で行う治験を審査する。また、他施設から審査依頼があった場合には審査を行う。

9.2 (治験審査委員会の業務)

治験審査委員会と院長の協議の上、治験審査委員会の運営の手続き及び記録の保存について、治験審査委員会業務手順書に定める。
院長は、治験審査委員会の手順書、委員名簿及び会議の記録の概要を公表する。

9.3 (治験審査委員会事務局の設置)

院長は、治験審査委員会の業務の円滑化をはかるため、治験審査委員会の運営に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験審査委員会事務局を設置する。

10. 治験責任医師の業務

10.1 (治験責任医師及び治験分担医師に関する定義)

治験責任医師及び治験分担医師は、医療法人鉄蕉会亀田総合病院・医療法人鉄蕉会亀田クリニック・医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院に所属する。
治験責任医師は診療科の責任者とする。
治験分担医師は原則として臨床経験2年以上を有すること。

10.2 (治験責任医師の要件)

治験責任医師は、以下の要件を満たすこと。

  1. 1 .治験責任医師は、教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうる者である。また、治験責任医師は、このことを証明する最新の履歴書及びその他の適切な文書を院長に提出する。
  2. 2 .治験責任医師は、治験実施計画書、最新の治験薬概要書、製品情報及び治験薬提供者が提供するその他の文書に記載されている治験薬の適切な使用方法に十分精通している。
  3. 3 .治験責任医師は、医薬品医療機器等法第14条第3項及び第80条の2(医療機器の場合、医薬品医療機器等法第23条の2の5第3項、第80条の2)及びそれらに規定されるGCP省令等を熟知し、これを遵守する。
  4. 4 .治験責任医師は、モニタリング及び監査並びに治験審査委員会並びに国内外の規制当局による調査を受け入れる。治験責任医師は、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供する。
  5. 5 .治験責任医師は、募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能である事を過去の実績等により示す。
  6. 6 .治験責任医師は、予定期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有する。
  7. 7 .治験責任医師は、治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保し、また適切な設備を利用できる。
  8. 8 .治験責任医師は、治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、[治験分担医師・治験協力者リスト]を作成し、院長に提出し、その了承を受ける。
  9. 9 .治験責任医師は、治験審査委員会で申請する治験概要について説明を行う。
  10. 10 .治験責任医師は、治験分担医師、治験協力者等に、治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督する。

10.3 (治験責任医師の責務)

  1. 1 .被験者の選定
    ① 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者の選定に当たって、人権保護の観点か
    ら及び治験実施計画書に定められた選択基準及び除外基準に基づき、被験者の健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮のうえ、治験に参加を求めることの適否について慎重に検討する。
    ② 同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得
    ない場合を除き、原則として被験者としない。
    ③ 社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、特に慎重な配慮を払わなくてはならない。
  2. 2 .被験者の同意の取得
    ① 治験責任医師は、治験実施の申請をする前に、被験者から治験への参加の同意を得るために用いる同意文書及びその他の説明文書を作成し、必要な場合にはこれを改訂する。
    ② 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者となるべき者が治験に参加する前に、被験者となるべき者に対して医薬品医療機器等法GCP省令第51条第1項各号に掲げる事項を記載した説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得る。
    ③ 同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師、被験者が記名押印又は署名し、各自日付を記入する。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入する。
    ④ 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、前項③の規程に従って記名押印又は署名と日付が記入された同意文書の写し及びその他の説明文書を被験者に渡す。また、被験者が治験に参加している間に、同意文書及びその他の説明文書が改訂された場合は、その都度新たに前項の規程に従って記名押印又は署名と日付を記入した同意文書の写し及び改訂されたその他の説明文書を被験者に渡す。
    ⑤ 治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制したり又は不当な影響を及ぼしてはならない。
    ⑥ 同意文書及びその他の説明文書並びに説明に際して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、医療機関の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。
    ⑦ 口頭及び文書による説明並びに同意文書には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉が用いられていなければならない。
    ⑧ 治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足的説明者としての治験協力者は、全ての質問に対して被験者が満足するように答えなければならない。
    ⑨ 被験者の同意に関連し得る新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき同意文書及びその他の説明文書を改訂し、予め治験審査委員会の承認を得なければならない。また、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者に対しても、当該情報を速やかに被験者に伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、改訂された同意文書及びその他の説明文書を用いて改めて説明し、治験への参加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得なければならない。
    注)重大な新たな安全に関する情報の入手 8.8参照
    ⑩ 治験に継続して参加するか否かについての被験者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者に伝え、治験に継続して参加するか否かについて被験者の意思を確認しなければならない。この場合、当該情報が被験者に伝えられたことを文書に記録しなければならない。
    ⑪ 被験者の同意取得が困難な場合
    (ア)同意の能力を欠く等により被験者の同意を得ることは困難であるが、当該治験の目的上それらの被験者を対象とした治験を実施することがやむを得ない場合(例えば、未成年者や重度の認知症患者を対象とする場合)には、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の代諾者に治験の内容等を同意文書及びその他の説明文書を用いて十分説明し、治験への参加について文書による同意を得るものとする。この場合、同意に関する記録とともに代諾者と被験者との関係を示す記録を残す。治験責任医師又は治験分担医師は、この場合にあっても、被験者の理解力に応じて説明を行い、可能であれば被験者からも同意文書への記名押印又は署名と日付の記入を得る。
    (イ)同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師、被験者の代諾者が記名押印又は署名し、各自日付を記入する。なお、治験協力者が補足的説明を行った場合には、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入する。
    (ウ)治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、記名押印又は署名と日付が記入された同意文書の写し及びその他の説明文書を被験者及び被験者の代諾者に渡す。また、被験者が治験に参加している間に、同意文書及びその他の説明文書が改訂された場合(GCP省令54条参照)は、治験責任医師又は治験分担医師は、その都度、新たに記名押印又は署名と日付を記入した同意文書の写し及び改訂されたその他の説明文書を被験者及び被験者の代諾者に渡す。
    (エ)治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者及び被験者の代諾者に強制したり又は不当な影響を及ぼしてはならない。
    (オ)同意文書及びその他の説明文書並びに説明に際して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、医療機関の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。   
    (カ)口頭及び文書による説明並びに同意文書には被験者の代諾者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉を用いる。
    (キ)治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者の代諾者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与える。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足説明者としての治験協力者は、全ての質問に対して被験者の代諾者が満足するように答える。
    (ク)被験者の同意に関連し得る新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者についても、当該情報を速やかに被験者の代諾者に伝え、被験者の治験への参加の継続について、被験者の代諾者の意思を確認するとともに、改訂され、予め治験審査委員会の承認を受けた同意説明文書及びその他の説明文書を用いて被験者の代諾者に改めて説明し、被験者の治験への参加の継続について被験者の代諾者から文書による同意を得る。
    (ケ)治験への参加の継続について被験者又は被験者の代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者の代諾者に伝え、被験者の治験への参加の継続について被験者の代諾者の意思を確認する。この場合にあっては、当該情報が被験者の代諾者に伝えられたことを文書に記録する。
    ⑫ 非治療的治験を実施する場合、緊急状況下における救命的治験の場合及び被験者が同意文書等を読めない場合については、GCP省令第50条第2項から第4項まで(医療機器GCP省令第70条第2項から第4項まで、再生医療等製品GCP省令第70条第2項から第4項まで)、GSP省令第52条第3項及び第4項(医療機器GCP省令第72条第3項及び第4項、再生医療等製品GCP省令第72条第3項及び第4項)並びにGCP省令第55条(医療機器GCP省令第75条、再生医療等製品GCP省令第75条)を遵守する。
  3. 3 .被験者に対する医療
    ① 治験責任医師は、治験に関連する医療上の全ての判断に責任を負う。
    ② 院長及び治験責任医師は、被験者の治験参加期間中及びその後を通じ、治験に関連した臨床上問題となる全ての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供される事を保証する。また、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となった事を知り得た場合、被験者にその旨を伝えなければならない。
    ③ 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせなければならない。
    ④ 被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合には、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければならない。
  4. 4 .治験の申請等
    ① 治験責任医師は、院長に[履歴書][治験分担医師・治験協力者リスト]等審査に必要な資料を提出する。
    また、新規申請する治験概要について治験審査委員会で説明を行う。
    注)治験審査委員会業務手順書 参照
    ② 治験審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認し、これに基づく院長の指示、決定が[治験審査結果通知書]により通知された後に、それに従って治験を開始又は継続する。
    治験審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づく院長の指示、決定が[治験審査結果通知書]により通知された場合には、それに従う。
    ③ 治験責任医師は、治験審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく院長の指示、決定が[治験審査結果通知書]により通知される前に、被験者を治験に参加させてはならない。
    ④ 治験責任医師は、治験実施前及び治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにする。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、その全てを速やかに院長に提出する。
  5. 5 .治験の実施
    ① 治験責任医師は、院長からの[治験審査結果通知書]に従って、治験を実施する。
    ② 治験責任医師及び治験分担医師は、GCP並びに治験実施計画書に従って治験を実施する。
    ③ 治験責任医師及び治験分担医師は、治験実施計画書に従って治験薬を使用する。
    ④ 治験責任医師又は治験分担医師は、治験薬の正しい使用方法を各被験者に説明、指示し、当該治験にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認する。
  6. 6 .治験実施計画からの逸脱等
    ① 治験責任医師又は治験分担医師は、治験審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行ってはならない。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなど医療上やむを得ないものである場合又は治験の事務的事項(例:医療機関の名称・診療科名の変更、医療機関の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の職名変更、モニターの変更等)のみに関する変更である場合には、この限りではない。
    ② 治験責任医師又は治験分担医師は、承認された治験実施計画書から逸脱した行為を全て記録しなければならない。治験責任医師は、その理由等を説明した記録[治験実施計画書からの逸脱(緊急の危険回避の場合を除く)に関する報告書]を作成して院長に提出し、その写しを保存する。                                 
    ③ 治験責任医師は、逸脱した行為のうち被験者の緊急の危験を回避するためその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかったものについてのみ、その理由を記載した[緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書]を作成し、直ちに院長に提出する。
    ④ 治験責任医師は、無作為割付の手順が規定されている場合にはこれに従い、治験薬割付記号が治験実施計画書を遵守した方法でのみ開封されることを保証する。盲検法による治験において予め定められた時期よりも早い段階での開封(事故による開封、重篤な有害事象のための開封など)を行った時は、治験責任医師はこれをその理由とともに速やかに文書に記録する。
  7. 7 .症例報告書等の記録及び報告
    ① 治験責任医師又は治験分担医師は、症例報告書を治験実施計画書の規定に従って作成し、その内容を点検し、問題がないことを確認したときに、記名押印又は署名し、治験責任医師が適切に保管する。
    ② 治験責任医師は、治験分担医師が作成した症例報告書について、その内容を点検し、問題がないことを確認したときに、記名押印又は署名する。治験分担医師が行った症例報告書の変更又は修正について、治験責任医師が点検し、問題がないことを確認したときを含む。
    ③ 治験責任医師は、症例報告書及びその他全ての報告書のデータが、正確、完全で、読み易く、提出の時期が適切であること、及び被験者の識別に被験者識別コードを用いていることを保証する。
    ④ 症例報告書中のデータのうち原資料に基づくものは、原資料に矛盾しないものでなければならない。原資料との何らかの矛盾がある場合には、治験責任医師
    はその理由を説明する記録を作成し保存する。
    ⑤ 治験責任医師又は治験分担医師は、症例報告書の変更又は修正に当たり治験責任医師が作成した手引きに従う。症例報告書のいかなる変更又は修正にも、日付の記入及び押印又は署名がなされ、重大な変更又は修正については説明を記す。また、変更又は修正は当初の記載内容を不明瞭にするものであってはならない(すなわち、監査証跡として保存する)。このことは文書及び電子データの変更又は修正の双方に適用される。
    ⑥治験責任医師は、症例報告書の変更及び修正の記録し保存する。
  8. 8 .治験中の報告等
    ① 治験責任医師は、治験審査委員会の継続審査を受けるために、治験の現況の概要を年1回又は治験審査委員会の求めに応じてそれ以上の頻度で、院長に[治験実施状況報告書]をもって提出する。
    ② 治験責任医師は、治験の実施に重大な影響を与え、又は被験者の危険を増大させるような治験のあらゆる変更について、院長を経由して治験審査委員会に速やかに報告書を提出する。
    ③ 治験責任医師は、治験実施計画書及び治験薬概要書等の文書において緊急の報告が不要であると規定されている場合を除き、全ての重篤な有害事象を院長(共通の実施計画書に基づき共同で複数の医療機関において治験を実施する場合には他の医療機関の治験責任医師を含む。)及び治験薬提供者に報告する。緊急報告の後に、[重篤な有害事象に関する報告書]又は指定の書式をもって詳細な報告を速やかに行う。この場合において、治験薬提供者、院長又は治験審査委員会から更に必要な情報の提供を求められた場合はこれに応じる。
    ④ 治験責任医師は、治験実施計画書において治験薬の安全性評価のために重要であると規定された有害事象について、治験実施計画書で規定された報告要件及び期限を守って、院長(共通の実施計画書に基づき共同で複数の医療機関において治験を実施する場合には他の医療機関の治験責任医師を含む。)及び治験薬提供者に報告する。
    ⑤ 治験責任医師は、全ての重篤な有害事象を、院長に速やかに[重篤な有害事象に関する報告書]と[新たな安全性に関する確認書]により報告する。この場合、治験責任医師は、報告する重篤な有害事象のうち、重篤で予測できない副作用を特定する。
    ⑥ 治験責任医師は、報告した死亡例を含む重篤な有害事象又は副作用について、院長、治験薬提供者及び治験審査委員会から要求された追加の情報(剖検報告書、末期の医療記録及びその他必要とされる情報)をこれらに提供する。
  9. 9 .治験の中止、中断、終了
    ① 治験責任医師は治験の中止、被験薬の開発中止を決定した場合もしくは製造販売承認がされた場合には、[開発の中止等に関する報告書]を提出する。なお、その文書中には中止又は中断された場合には、その詳細が説明されていなければならない。
    ② 治験が何らかの理由で中止又は中断された場合、あるいは自らが治験を中断し、又は中止した場合には、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療及び事後処理を保証する。
    ③ 治験責任医師が、治験を中止又は中断した場合には、院長に速やかに[治験終了(中止・中断)報告書]を提出する。
    ④ 治験責任医師は、治験が終了し、モニターによる直接閲覧が終了した場合には院
    長に[治験終了(中止・中断)報告書]を提出する。
  10. 10 .記録の保存
    治験責任医師は、治験の実施に係る必須文書を院長の指示に従って保存する。
    これら保存の対象となる記録には、治験の実施に関する重要な事項について行われた書簡、会合、電話連絡等に関するものを含む。

11. 治験薬、治験機器及び治験製品等の管理

11.1 医療法人鉄蕉会亀田総合病院、医療法人鉄蕉会亀田クリニック及び医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院の治験薬、治験機器及び治験製品の管理責任は、院長(実施医療機関の長)が負う。

11.2 院長は、治験薬を保管、管理させるため医療法人鉄蕉会亀田総合病院、医療法人鉄蕉会亀田クリニック及び医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院の薬剤部長又は薬剤室長を治験薬管理者とする。なお、治験薬管理者は、薬剤師を治験薬管理担当者として指名し治験薬の保管、管理を行わせることができる。医療機器及び治験製品等の管理に関しては、治験責任医師が作成した手順に従い、管理指名書にて委嘱する。

11.3 治験薬管理者又は治験薬管理担当者は、治験責任医師が作成した治験薬の管理手順書に従って、またGCPを遵守して適正に治験薬を保管、管理する。

11.4 院長は、治験における検査データの信頼性を保証するため、検査機器の精度管理を行う。

12. 治験事務局

12.1 (治験事務局の設置)

院長は、治験の実施に関する事務及び支援する者を指定し、治験事務局を設ける。なお、治験事務局は治験審査委員会事務局を兼ねる。

12.2 (治験事務局の構成)

センター長 薬剤管理部長
薬剤師 若干名
看護師 若干名
事務員 若干名

12.3 (治験事務局の業務)

事務局は院長の指示により次の業務を行う。

  1. 1 .治験審査委員会の委員の指名に関する業務(委員名簿の作成を含む)
  2. 2 .治験責任医師に対する必要書類の交付と治験依頼手続きの説明
  3. 3 .治験審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付
  4. 4 .治験審査結果報告書に基づく院長の治験に関する指示・決定通知文書の作成と治験責任医師への通知書の交付(治験審査委員会の審査結果を確認するために必要とする文書の治験責任医師への交付を含む)
  5. 5 .治験責任医師が指名した者によるモニタリング、監査及び規制当局による調査への対応
  6. 6 .治験契約に係わる手続きなどの業務
  7. 7 .治験終了(中止・中断)報告書の受領及び治験終了(中止・中断)通知書の交付
  8. 8 .記録の保存
  9. 9 .治験の実施に必要な手続き書類の作成
  10. 10 .治験実施に関する各種標準業務規程書作成及び改訂業務
  11. 11 .治験の手続きに関する手順書、治験審査委員会委員名簿及び会議の記録の概要の公表
  12. 12 .治験審査委員会の報告資料「現在治験中品目」を院長に提出する。
  13. 13 .その他の治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援

12.4 (治験実施前の業務)

  1. 1 .治験の依頼
    ① 治験手続きの説明及び書式の交付
    治験責任医師に治験申請の手続きの説明を行い、指定の書類を配付する。(「治験を円滑にすすめる為のお願い事項」参照)
    ② 提出書類の確認を行う。
    ③ 治験審査委員会へ審査依頼を行う。
    ④ 治験審査委員会の開催通知及び必要な審査資料を配付する。
    ⑤ 治験審査委員会で議事録を作成する。
    ⑥ 治験審査結果通知書を作成し、院長に報告する。
    ⑦ 治験の実施に関する通知書を作成し、治験責任医師に通知する。

12.5 (治験実施中の業務)

  1. 1 .治験実施計画変更の手続き
    治験実施計画内容の変更は、治験責任医師より指定の書式の提出を受ける。
  2. 2 .重篤な有害事象に対する対応
    ① 治験責任医師より重篤な有害事象が報告された場合は、[重篤な有害事象に関する報告書]及び[新たな安全性に関する確認書]の提出を受ける。院長および治験審査委員長に報告する。
    ② 治験責任医師より重大な新たな安全性に関する情報を入手した場合は、
    [安全性情報等に関する報告書][新たな安全性に関する確認書]の提出を受ける。
  3. 3 .継続審査の手続き
    治験期間が1年以上に及ぶ場合は、治験責任医師より[治験実施状況報告書]の提出を受ける。
  4. 4 .前項(1)~(3)又は治験審査委員会で審査が必要な資料の提出を受けた場合
    ① 治験審査委員会に審査を依頼する。
    ② 治験審査結果通知書を作成し、院長に報告する。
    ③ 治験の実施に関する通知書を作成し、治験責任医師に通知する。
  5. 5 .治験審査委員会で報告する資料の提出を受けた場合は、治験審査委員会で報告する。

12.6 (治験の中止・終了の業務)

治験責任医師より、[治験終了(中止・中断)報告書]の提出を受ける。
治験終了(中止・中断)に関する通知書を作成し、治験審査委員会及び院長に提出する。

12.7 (治験コーディネーターの業務)

治験コーディネーター(CRC)は治験管理センター治験事務局に所属する。
CRCは、医薬品の臨床試験実施過程においてGCP及び関係規則を遵守して、直接的には治験責任医師等を支援し、治験の倫理性、科学性、信頼性を保証するための活動を行うものである。CRCは以下の業務を行うが、業務の詳細については院長、治験責任医師の指示による。

CRC業務マニュアル参照
  1. 1 .治験の準備に関する業務
    ① 治験実施計画書の評価
    ② 治験支援スタッフ(看護師、検査技師など)への連絡調整及び必要時の勉強会、連絡会の企画・実施
  2. 2 .インフォームドコンセントに関する業務
    ① 治験参加説明文書・同意書の作成協力
    ② 患者への治験内容の補助説明
    ③ 治験参加説明文書・同意書(写)を被験者に渡す
    ④ 同意書の適切な保管
  3. 3 .治験の実施に関する業務
    ② 被験者の募集
    ③ 被験者の相談窓口
    ④ 患者のスクリーニング(選択基準、除外基準への合致の有無確認)
    ⑤ 治験スケジュールの管理(服薬指導、来院日の調整、検査実施日調整等)
    ⑥ 外注検査の検体回収の手配と管理
    ⑦ 診療記録、その他の原資料から症例報告書への転記
    ⑧ 症例報告書、治験に関連した書類の作成協力と保管、管理
    ⑨ 症例報告書と原資料の整合性のチェック
    ⑩ モニタリング担当者との対応窓口
    ⑪ 治験関連機器類の保守管理
    ⑫ 治験責任医師からの安全性などに関する情報収集と被験者への情報提供
    ⑬ モニタリング・監査等への対応
    ⑭ 被験者への負担軽減費の支払い
  4. 4 .有害事象発生時の業務
    ① 被験者からの聞き取り調査
    ② モニタリング担当者への報告対応
    ③ 有害事象の重篤性についての治験責任医師の判断確認
    ④ 有害事象に対する処置とその内容確認
    ⑤ 重篤な有害事象発生時には、院長へ適切に報告するための協力
    ⑥ 有害事象の追跡調査
  5. 5 .モニタリング・監査に関連する業務
    ① 実施日時の調整
    ② 症例報告書と原資料との整合性確認などへの対応
    ③ 規制当局による調査時の対応
  6. 6 .その他、治験に関する業務を円滑に行うために必要な業務
    ① 1年を越える治験についての実施状況報告書の作成、治験審査委員会への提出資料の作成協力
    ② 適切な記録の保管

12.8 (治験コーディネーターの指名)

治験コーディネーター(CRC)は、治験責任医師が作成する当該治験の[治験分担医師・治験協力者リスト]に基づき、院長により了承される。

12.9 (不適合の対応)

治験事務局における不適合とは、定められた手順から逸脱した行為をいう。
個々の治験の治験実施計画書からの逸脱は、[緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書]又は[治験実施計画書からの逸脱(緊急の危険回避の場合を除く)に関する報告書]で院長に報告する。
また、不適合が管理システム構造上の問題となりうる場合は、医療安全管理規程に従いインシデント報告書に記載し、センター長に報告する。

13. 記録の保存

13.1 (記録の保存責任者の指名)

院長は、医療法人鉄蕉会亀田総合病院又は医療法人鉄蕉会亀田クリニック・医療法人鉄蕉会亀田リハビリテーション病院において保存すべき必須文書の保存責任者を指名する。

13.2 (記録の保存責任者)

  1. 1 .診療録・検査データ等 : 医療情報管理室の責任者
  2. 2 .治験受託に関する文書 : センター長 
  3. 3 .治験薬、治験機器、治験製品等に関する記録 : 治験薬管理者等、管理者指名書にて委嘱された者

13.3 (記録の保存責任者の責務)

記録の保存責任者は、医療機関において保存すべき必須文書が13.4に定める期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じる。電磁的に記録を保存する場合は、カット・ドゥ・スクエアを用いて行う。なお、詳細は治験関連文書の電磁化に関する標準業務手順書を参照する。

13.4 (記録の保存期間)

  1. 1 .院長は、保存すべき必須文書を、①又は②の日のうちいずれか遅い日までの期間保存する。ただし、これよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験責任医師と協議する。
    ① 当該被験薬に係る製造販売承認日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から3年が経過した日)
    ② 治験の中止又は終了後3年が経過した日
  2. 2 .製造販売後臨床試験の場合は当該被験薬の再審査又は再評価が終了した日後5年間保管する。
  3. 3 .院長は、治験責任医師より前項(1)にいう承認取得あるいは開発中止の連絡を受ける。

13.5 (記録の廃棄)

保管期間が過ぎた必須文書は必要に応じてシュレッダーをかける。

14. 治験責任医師の業務(治験の準備)

14.1 (治験実施体制)

  1. 1 .治験責任医師は、治験の実施の準備及び管理に関して必要とされる以下に掲げる業務手順書等を作成する。
    ①治験実施計画書及び症例報告書の見本の作成に関する手順書
    ②治験薬概要書の作成に関する手順書
    ③説明文書及び同意文書の作成に関する手順書
    ④被験者の健康被害補償方策に関する手順書
    ⑤治験薬の管理に関する手順書
    ⑥モニタリングの実施に関する手順書
    ⑦安全性情報の取扱いに関する手順書
    ⑧監査に関する計画書及び業務に関する手順書
    ⑨多施設共同治験において治験調整医師又は治験調整委員会への業務の委嘱の手順書
    ⑩効果安全性評価委員会(独立データモニタリング委員会)審議に関する手順書
    ⑪記録の保存に関する手順書
    ⑫総括報告書作成に関する手順書
    ⑬その他治験が適正かつ円滑に行われることを確保するために必要とされる手順書
  2. 2 .治験責任医師は、医師、歯科医師、薬剤師その他の治験の実施の準備及び管理に係わる業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者を確保し、治験の実施体制を整える。治験の実施の準備及び管理に係わる業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者として治験に関する医学的な問題について適切な助言を行う医学専門家、並びに治験実施計画書、治験薬概要書等の作成・改訂、データの取扱い、統計解析の実施、総括報告書の作成等、治験の全過程を通じて活用されるべき者を医療機関内だけでなく外部の専門家(生物統計学者、臨床薬理学者等)も含めて組織する。

14.2 (非臨床試験成績等の入手)

  1. 1 .治験責任医師は、治験実施時点における科学的水準に照らし適正な被験薬の品質、有効性及び安全性に関する情報等、必要な資料を入手する。必要な資料の入手又は情報の提供については、治験薬提供者と協議し、契約を締結するなど必要な措置を講じる。

14.3 (治験実施計画書の作成及び改訂)

  1. 1 .治験責任医師は、以下に掲げる事項を記載した治験実施計画書を作成する。
    ①治験責任医師の氏名及び職名並びに住所
    ②治験の実施の準備及び管理に係る業務の全部又は一部を委託する場合にあっては、受託者の氏名、住所及び当該委託に係る業務の範囲
    ③治験の実施に係る業務の一部を委託する場合にあっては、受託者の氏名、住所及び当該委託に係る業務の範囲
    ④医療機関の名称及び所在地
    ⑤治験の目的
    ⑥被験薬の概要
    ⑦治験薬提供者の氏名及び住所
    ⑧治験の方法
    ⑨被験者の選定に関する事項
    ⑩原資料の閲覧に関する事項
    ⑪記録(データを含む。)の保存に関する事項
    ⑫治験調整医師に委嘱した場合にあっては、その氏名及び職名
    ⑬治験調整委員会に委嘱した場合にあっては、これを構成する医師又は歯科医師の氏名及び職名
    ⑭GCP省令第26条の5 に規定する効果安全性評価委員会を設置したときは、その旨
  2. 2 .治験責任医師は、当該治験が被験者に対して治験薬の効果を有しないこと及びGCP省令第51条第1項の同意を得ることが困難な者を対象にすることが予測される場合には、その旨及び以下に掲げる事項を治験実施計画書に記載する。
    ①当該治験がGCP省令第50条第1項の同意を得ることが困難と予測される者を対象にしなければならないことの説明
    ②当該治験において、予測される被験者への不利益が必要な最小限度のものであることの説明
    ③治験責任医師は、当該治験がGCP省令第50条第1項及び第2項の同意を得ることが困難と予測される者を対象にしている場合には、その旨及び以下に掲げる事項を治験実施計画書に記載する。
    ④当該被験薬が、生命が危険な状態にある傷病者に対して、その生命の危険を回避するため緊急に使用される医薬品として、製造販売承認を申請することを予定しているものであることの説明
    ⑤現在における治療方法では被験者となるべき者に対して十分な効果が期待できないことの説明
    ⑥被験薬の使用により被験者となるべき者の生命の危険が回避できる可能性が十分にあることの説明
    ⑦GCP省令第26条の5に規定する効果安全性評価委員会が設置されている旨
  3. 3 .治験責任医師は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、当該治験実施計画書を改訂する。

14.4 (治験薬概要書の作成及び改訂)

  1. 1 .治験責任医師は、14.2で規定した情報に基づいて以下に掲げる事項を記載した治験薬概要書を作成する。
    ①被験薬の化学名又は識別記号
    ②品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項
    ③臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項
  2. 2 .治験責任医師は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、当該治験薬概要書を改訂する。

14.5 (説明文書の作成及び改訂)

  1. 1 .治験責任医師(治験責任医師となるべき医師又は歯科医師に限る。)は、GCP省令の規定より、被験者から治験への参加の同意を得るために用いる説明文書を作成する。また必要な場合にはこれを改訂する。なお、必要な資料又は情報の提供については、治験薬提供者と協議し、契約を締結するなど必要な措置を講じる。

14.6 (被験者に対する補償措置)

  1. 1 .治験責任医師は、治験に関連して被験者に生じた健康被害(治験の実施の準備、管理又は実施に係る業務の一部を委託した場合に生じたものを含む)に対する補償措置として、保険への加入の措置、副作用等の治療に関する医療体制の提供その他必要な措置を講ずる。

14.7 (院長への文書の事前提出)

  1. 1 .治験責任医師は、手順に基づき必要な資料を院長に提出し、治験の実施の承認を得る。

14.8 (治験計画等の届出)

  1. 1 .治験責任医師は、医薬品医療機器等法(以下「薬機法」)第80条の2第2項及び薬機法施行規則第269条の規定により、その治験の計画を厚生労働大臣に届け出る。
  2. 2 .治験責任医師は、前項の届出後に薬機法施行規則第270条の規定により当該届出に係る事項を変更したとき又は当該届出に係る治験を中止し、若しくは終了したときは、その内容及び理由等を厚生労働大臣に届け出る。
  3. 3 .治験計画等の届出については、「自ら治験を実施する者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取扱いについて」(平成24年12月28日薬食審査発1228第19号)に従い届け出る。なお、当該通知が改訂等された場合にはその改訂等に従う。

14.9 (業務委託の契約)

  1. 1 .治験責任医師又は医療機関は、治験の実施の準備及び管理に係る業務の全部又は一部を委託する場合には、次に掲げる事項を記載した文書により当該業務を受託する者との契約を締結する。
    ①当該委託に係る業務の範囲
    ②当該委託に係る業務の手順に関する事項
    ③前号の手順に基づき当該委託に係る業務が適正かつ円滑に行われているかどうかを治験責任医師又は医療機関が確認することができる旨
    ④当該受託者に対する指示に関する事項
    ⑤前号の指示を行った場合において当該措置が講じられたかどうかを治験責任医師又は医療機関が確認することができる旨
    ⑥当該受託者が治験責任医師又は医療機関に対して行う報告に関する事項
    ⑦当該受託者が、医療機関において業務を行う場合には当該委託する業務に係る被験者に対する補償措置に関する事項
    ⑧当該受託者が、監査担当者及び規制当局の求めに応じて、直接閲覧に供すること。
    ⑨当該受託者が、業務終了後も継続して保存すべき文書又は記録及びその期間 。
    ⑩その他当該委託に係る業務について必要な事項

15. 治験責任医師の業務(治験の管理)

15.1 (治験薬の入手・管理等)

  1. 1 .治験責任医師は、自ら治験薬を製造しない場合、治験薬提供者から「治験薬の製造管理、品質管理等に関する基準(治験薬GMP)について」(平成20年7月9日薬食発第0709002号)の要件を満たす治験薬を入手すべく、治験薬の品質確保に関して治験薬提供者との間で文書等により明確な取り決め等を行う。明確に取り決めておく事項には、次項以降に掲げた内容を含め、以下の項目があげられる。
    ①治験薬の提供時期、提供手段、必要数量
    ②治験薬製造記録の提供
    ③治験終了時までの治験薬ロットサンプルの保存
    ④治験薬ロットサンプルの経時的分析記録の提供
  2. 2 .治験責任医師は、以下の事項を自ら遵守するとともに治験薬提供者から治験薬の提供を受ける場合は治験薬提供者にその遵守を求める。
    ①治験薬の容器又は被包に次に掲げる事項を邦文で記載する。なお、国際共同治験において複数の国や地域において英文で記載された共通の治験薬を用いる場合又は欧米等で承認のある未承認薬を用いたブリッジング試験等の場合は、治験実施計画書にその旨を記載し、治験審査委員会の承認を得たものについて英文記載でよい。また、多施設共同治験を実施する場合であって、治験実施計画書に、治験責任医師の代表者又は治験調整医師の氏名及び職名並びに住所を記載する旨を記載し、治験審査委員会の承認を得たものについては、治験責任医師の代表者又は治験調整医師の氏名及び職名並びに住所を記載することで差し支えない。
    ・治験用である旨
    ・治験責任医師の氏名及び職名並びに住所
    ・化学名又は識別番号
    ・製造番号又は製造記号
    ・貯蔵方法、使用期限等を定める必要のあるものについては、その内容
    ②治験薬に添付する文書、その治験薬又はその容器若しくは被包(内袋を含む)には、次に掲げる事項を記載してはならない。
    ・予定される販売名
    ・予定される効能又は効果
    ・予定される用法又は用量
  3. 3 .治験責任医師は、治験計画届出書を提出し、受理されたことを確認した後に治験薬提供者より治験薬を入手する。ただし、「薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律の一部の施行について」(平成15年5月15日医薬発第0515017号)の記のⅢの(2)のイに掲げる薬物、「「医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床試験安全性試験の実施についてのガイダンス」について」(平成22年2月19日薬食審査発0219第4号)で定義されているマイクロドーズ臨床試験及びマイクロドーズ臨床試験以降初めて届出る治験にあっては、治験計画の届出提出後30日を経過した後に、それ以外の薬物にあたっては、治験計画の届出提出後2週間後を目安に治験薬を入手する。
  4. 4 .治験責任医師は、盲検下の治験では、治験薬のコード化及び包装に際して、医療上の緊急時に、当該治験薬がどの薬剤であるかを直ちに識別できるよう必要な措置を講じておく。また、盲検下の治験では盲検が破られたことを検知できるよう必要な措置を講ずる。
  5. 5 .治験責任医師は、治験薬提供者から治験薬を入手する場合の輸送及び保存中の汚染や劣化を防止するため必要な措置を講じておく。
  6. 6 .治験責任医師は、治験薬提供者より治験薬に関する以下に掲げる情報を入手し、記録を作成する。
    ①治験薬の製造年月日、製造方法、製造数量等の製造に関する記録及び治験薬の安定性等の品質に関する試験の記録
    ②治験薬を入手し、又は治験薬提供者から提供を受けた場合にはその数量及び年月日の記録
    ③治験薬の処分等の記録
  7. 7 .治験責任医師は、院長による治験の実施の承認後遅滞なく、医療機関における治験薬の管理に関する手順書を作成し、これを院長に交付する。また、必要に応じ、治験薬の溶解方法その他の取扱方法を説明した文書を作成し、これを治験分担医師、治験協力者及び治験薬管理者に交付する。

15.2 (治験調整医師又は治験調整委員会への委嘱)

  1. 1 .治験責任医師は、共通の治験実施計画書に基づき複数の医療機関において共同で治験を実施する場合には、当該医療機関における当該治験実施計画書の解釈その他の治験の細目について調整する業務を治験調整医師又は治験調整委員会に委嘱することができる。
  2. 2 .治験責任医師が、治験調整医師あるいは治験調整委員会に委嘱できる業務としては以下のものがあげられる。
    ①治験中に生じた治験実施計画書の解釈上の疑義の調整
    ②治験の計画の届出の業務
    ③複数医療機関間の副作用情報の通知に関する業務
    ④厚生労働大臣への副作用等報告の業務
    ⑤その他治験の細目についての複数医療機関間の調整
  3. 3 .治験責任医師は、治験調整医師又は治験調整委員会に委嘱する場合には、その業務の範囲、手順その他必要な事項を記載した文書を当該治験ごとに作成する。

15.3 (効果安全性評価委員会の設置)

  1. 1 .治験責任医師は、治験の継続の適否又は治験実施計画書の変更について審議させるために効果安全性評価委員会を設置することができる。
  2. 2 .効果安全性評価委員会は、治験の進行、安全性データ及び重要な有効性エンドポイントを適切な間隔で適切に評価し、治験の継続の適否又は治験実施計画書等の変更について審議するための委員会であり、治験責任医師等、治験調整医師、治験審査委員会の委員、治験薬提供者及び院長は効果安全性評価委員会の委員になることはできない。
  3. 3 .治験責任医師は、効果安全性評価委員会を設置した場合には委員会の審議に関する手順書を作成し、これに従って審議を行わせる。また、審議を行ったときは、その審議の記録を作成し、これを保存する。
  4. 4 .効果安全性評価委員会の設置が必要とされる治験は、当該治験の中間段階において治験の継続等の評価を行うための具体的な基準(症例数、対照群との有意水準・p値等、設定根拠等)を明確化し、予め治験実施計画書に記載する。

15.4 (治験に関する副作用等の報告)

  1. 1 . 治験責任医師は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報を収集し、及び検討するとともに院長に対し、これを提供する。なお、必要な資料又は情報の提供については、治験薬提供者と協議し、契約を締結するなど必要な措置を講じる。
  2. 2 .治験責任医師は、被験薬について薬機法第80条の2第6項に規定する事項を知ったときは、直ちにその旨を院長(共通の実施計画書に基づき共同で複数の医療機関において治験を実施する場合には治験責任医師を含む。)に通知する。あらかじめ、本事項について、治験責任医師、治験審査委員会及び院長の合意が得られている場合においては、院長に加えて治験審査委員会にも同時に通知することができる。また、この場合においては、GCP省令第40条第1項の規定に基づき院長が治験審査委員会に文書により通知したものとみなす。
  3. 3 .治験責任医師は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、治験実施計画書及び治験薬概要書を改訂する。治験実施計画書の改訂及び治験薬概要書の改訂については14.3及び14.4に従う。

15.5 (モニタリングの実施等)

  1. 1 .治験責任医師は、当該治験のモニタリングの実施に関する手順書を作成し、治験審査委員会の意見を踏まえて、当該手順書に従って、モニタリングを実施させる。
  2. 2 .治験責任医師は、モニタリングに必要な科学的及び臨床的知識を有する者をモニターとして指名する。モニターの要件はモニタリングの実施に関する手順書に明記する。なお、モニターは当該モニタリングの対象となる医療機関において当該治験に従事させない。
  3. 3 .モニタリングを実施する場合には、医療機関において実地にて行わせる。ただし、他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合には、この限りではない。
  4. 4 .モニターには、原資料を直接閲覧すること等により治験が適切に実施されていること及びデータの信頼性が十分に保たれていることを確認させ、その都度モニタリング報告書を作成させ、治験責任医師及び院長に提出させる。モニタリング報告書には、日時、場所、モニターの氏名、治験責任医師又はその他の接触した相手の氏名、モニターが点検した内容の要約及び重要な発見事項あるいは事実、逸脱及び欠陥、結論、治験責任医師等に告げた事項並びに講じられた若しくは講じられる予定の措置及びGCP省令等の遵守を確保するために推奨される措置に関するモニターの見解等を記載させる。
  5. 5 .治験責任医師者は、指名した者にモニターから提出されたモニタリング報告書の内容の点検とフォローアップについて文書化を行わせる。

15.6 (監査の実施)

  1. 1 .治験責任医師は、当該治験の監査に関する計画書及び業務に関する手順書を作成し、治験審査委員会の意見を踏まえて、当該計画書及び手順書に従って、監査を実施させる。
  2. 2 .治験責任医師は、教育・訓練と経験により監査を適切に行いうる要件を満たしている者を監査担当者として指名する。監査担当者の要件は監査に関する手順書に明記する。なお、監査担当者は当該監査に係る医療機関において当該治験の実施(その準備及び管理を含む。)及びモニタリングに従事させない。
  3. 3 .治験責任医師は、監査担当者に、監査を実施した場合には、監査で確認した事項を記録した監査報告書及び監査が実施されたことを証明する監査証明書を作成させ、これを治験責任医師及び院長に提出させる。監査報告書には監査担当者が記名押印又は署名の上、報告書作成日、被監査部門名、監査の対象、監査実施日、監査結果(必要な場合には改善提案を含む)及び当該報告書の提出先を記載させる。

15.7 (治験の中止等)

  1. 1 .治験責任医師は、医療機関がGCP省令又は治験実施計画書に違反することにより適正な治験に支障を及ぼしたと認める場合(GCP省令第46条に規定する場合を除く。)には、当該医療機関における治験を中止する。
  2. 2 .治験責任医師は、治験を中断し、又は中止する場合には、速やかにその旨及びその理由を院長に治験終了(中止・中断)報告書(医)書式17)により通知する。
  3. 3 .治験責任医師は、当該治験により収集された臨床試験成績に関する資料が承認申請書に添付されないことを知り得た場合には、その旨及びその理由を院長に開発の中止等に関する報告書(医)書式18)により通知する。

15.8 (治験総括報告書の作成)

  1. 1 .治験責任医師は、治験の終了又は中止にかかわらず、薬機法第14条第3項及び第80条の2に規定する基準、GCP省令並びに「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン(平成8年5月1日薬審第335号)」に従って、治験総括報告書を作成する。なお、多施設共同治験にあっては治験責任医師が共同で作成することができる。
  2. 2 .治験責任医師は治験総括報告書に監査証明書を添付して保存する。

15.9 (記録の保存)

  1. 1 .治験責任医師は、以下の治験に関する記録(文書及びデータを含む)を保存する。
    ①治験実施計画書、総括報告書、症例報告書その他GCP省令の規定により治験責任医師が作成した文書又はその写
    ②院長から通知された治験審査委員会の意見に関する文書、その他GCP省令の規定により院長から入手した記録
    ③モニタリング、監査、その他治験の実施の準備及び管理に係る業務の記録
    ④治験を行うことにより得られたデータ
    ⑤治験薬、医療機器、医薬品等製品に関する記録
  2. 2 .治験責任医師は、15.9(1)に定める記録を、1)又は2)の日のうちいずれか遅い日までの期間保存するものとする。
    ①当該被験薬に係る製造販売承認日(開発の中止若しくは治験の成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には開発中止が決定された若しくは申請書に添付されない旨の通知を受けた日から3年が経過した日)
    ②治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日
  3. 3 .治験責任医師は、当該治験責任医師がその所属する医療機関から所属しなくなった場合には、当該記録の保存について、適切な策を講じるものとする。

16. 引用文書

16.1 (外部文書)

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称 医薬品医療機器等法)
  • 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令「医薬品GCP省令」
  • 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令「医療機器GCP省令」
  • 再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令「再生医療等製品CGP省令」
  • 医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令「医薬品GPSP省令」
  • 医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令「医療機器GPSP省令」
  • 再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令「再生医療等製品GPSP省令」
  • 医療六法 (薬剤部・医薬品情報室)
    ・治験責任医師からの資料
     ・治験実施計画書(治験管理センター)
     ・治験薬概要書(治験管理センター)
     ・症例報告書(治験管理センター)
     ・治験薬管理手順書(治験管理センター)

16.2 (内部文書)

  • 医療安全管理規程
  • 治験審査委員会業務手順書
  • モニタリング及び監査標準業務手順書
  • 治験関連文書の電磁化に関する標準業務手順書
  • CRC業務マニュアル
  • 医療法人鉄蕉会で実施される治験に係わる費用について