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日本を救う!?「第3の道」 (亀田総合病院長 亀田信介) 2014/11/01

亀田総合病院長
亀田信介

最近、地方の人口減少や、出生率の低下が盛んに取り上げられるようになり、政府も地方創生相を新設するなど、事の重大さにやっと気づきはじめたようです。私どもは、以前から持続可能なふるさと造りのために様々なプロジェクトを試行してきました。

そもそも私どもの本業は医療、介護、福祉、教育サービスの提供であり、これらは公的サービスの重要な要素です。従来日本は“お上(かみ)の国”意識が強く、国民性悪説的な考えがベースにあります。そのため官尊民卑の発想で、官イコール“公”、民イコール“私”という固定概念が根強く、多くの公的サービスを官、つまり行政が担ってきました。

医療、介護、福祉、教育においても例外ではなく、貧弱なサービスと高コスト体質を生んできたのです。その結果、特に医療サービスは、自治体の財政にとって大きな負担となってきました。一方、日本における民間病院の経営母体は、基本的には非営利組織(NPO)しか許可されません。

日本ではNPOを「ノン・プロフィット・オーガナイゼーション」の略語とされていますが、本来欧米では「ノット・フォー・プロフィット・オーガナイゼーション」の略語、つまり利益追求を目的としてはいないけれども、利益を上げてよい組織としています。

NPOの価値は、自分たちの使命を常に高いレベルで、しかも継続して果たし続けることです。従って継続的質の向上の取り組みや、新たなチャレンジを行うことは必須であり、財政基盤の強化と、適切な利益の確保は不可欠です。今後の社会はこのような、自立し高い志と力を持った民間組織が社会企業として公的サービスを担ってゆくことになるでしょう。

一例として、イギリスのブレア政権が財政難に陥り、十分な公共サービスができなくなった際、「第3の道」として打ち上げたのが、“政府は小さくていい、公的なサービスは官ではなく民間がやればいい”というコンセプトでした。その前提としては、透明性と公平性を確保し、国民からの信頼と共感を獲得することが欠かせません。

更に今後は、政府が税金から合理性のない交付金や補助金を支出してサービスを行うのではなく、社会貢献事業の中から利益を生み出し、持続的に成長し続けられる組織やサービスシステムを作るべきです。税金の使われ方はどうしても不透明で公平性を欠きます。実際、官僚組織はタックスイーター(税金を無駄遣いする人)と陰口をたたかれています。官も民もなくイコールフッティング(同等の条件)の環境に置いて、正確で解りやすい情報公開(特に費用対効果など)を行い、正当なマーケットを作り国民の評価を仰ぐべきです。

人口減少、超高齢社会を乗り越えるためには、行政や官僚組織の役割と社会企業としての民の役割をもう一度見直し、社会システムの抜本改革を行わなければならないでしょう。実際、現在叫ばれている地域包括ケアやこれを実現するために模索されている非営利HD(ホールディングス)型法人等は、まだまだ机上の空論ですが、官民の壁を取り除き、一体でのサービス提供システムを目指しているように思えます。私ども亀田グループも社会企業としてのプライドと責任を持ち、人口減少、超高齢社会を乗り越えるための様々なプロジェクトを、力を合わせて進めていきたいと思います。

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