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お知らせ

長寿社会のイノベーション (亀田総合病院長(社会福祉法人太陽会理事長) 亀田 信介) 2012/11/01

亀田総合病院長(社会福祉法人太陽会理事長)
亀田 信介

今年の4月、関連の学校法人鉄蕉館により念願の亀田医療大学看護学部が開設され、亀田医療技術専門学校と合わせ、1年間に160名の看護師養成がスタートいたしました。そして、さらに現在、館山に社会福祉法人太陽会による(仮称)安房医療福祉専門学校の開設準備が進められています。

この専門学校は当初1学年40名の3年課程でスタートする予定です。なぜ、学校法人があるのに、社会福祉法人で運営するのか? 学生の取り合いにならないのか? 学生は集まるのか? 当然このような疑問を持たれる方が大勢いらっしゃると思います。私どもは、学校法人と社会福祉法人による教育・訓練の役割をある程度分けて考えています。急激な高齢化に伴う医師や看護師の不足が、千葉県にとっていかに深刻な問題であるかは、亀田総合病院報209号の巻頭言でクリニック院長が記述しているとおりです。

一方、館山市や茂原市のように行政主導で誘致した大規模工場の閉鎖や縮小、国外移転は、これからも日本中で起きることが予想されます。こうして職を失った人々の救済策など雇用問題への対応は、日本社会にとって最も深刻で重要な課題といえます。

ご存知のように、戦後の急激な経済成長を支えてきたのは、安価で質の高い物作りでした。質素倹約や勤勉が推奨され、おかげで無条件降伏の焼け野原から、日本は短期間で経済大国にのし上がることができました。しかし、近年は情報や技術の平準化が急激に進み、物価や賃金がはるかに安い途上国で、質の高い物作りが可能となり、企業は国際競争に勝つため、先を競って工場の海外移転を進めました。いわゆる産業の空洞化です。もはや第2次産業のみに雇用の創出を求めるのは酷というものでしょう。しかし資源のない日本にとって、外貨獲得のためには第2次産業に国際競争で勝ち残ってもらわなければなりません。従って、日本国内における雇用創出、景気回復のためには、新たな労働市場、つまり第3次産業に活動の場を移行させる仕組み作りが必要だと考えます。

製造業で働いてきた方々を、医療・介護をはじめとしたいわゆるサービス産業に活躍の場を移し、正規安定雇用に結びつかせるためには、新たな教育訓練と、その間の生活保障の仕組みづくりが不可欠です。

社会福祉法人太陽会における教育・訓練としての最初の取り組みは、喫緊の課題である看護師養成のための専門学校の開設ですが、これをベースに、将来的には一度社会に出た方々が、生活を自立させながら、あるいは家族を養いながら、正規安定雇用につながる資格を獲得するためのさまざまな教育プログラムを作りたいと考えています。

長寿社会においては、働くことの出来る誰もが、個々の能力や特徴を活かしながら社会で活躍することが最も重要です。それによって初めて社会保障の充実が可能となるでしょう。急激な社会構造の変化からくる新たなニーズや課題を正確にとらえ、今までの概念や制度を超え、多くの新しい社会システムモデルを、この安房の地から発信し続けたいと思います。

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