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お知らせ

第5波を乗り越えて (亀田総合病院長 亀田俊明) 2021/11/01

亀田総合病院長
亀田 俊明

新型コロナウイルス感染症との闘いも、間もなく2年の月日が経とうとしています。

当院は中国・武漢からの帰国者の受け入れを皮切りに、早い時期から診療はもとより、さまざまな活動を行ってきました。特に昨年11月から今年2月末まで続いた第3波では、地域での感染拡大に伴い、一部診療の選択的縮小をしてコロナ診療にあたるという苦渋の選択も経験しました。しかし、第5波はそれらをはるかに上回る厳しいものでした。

6月上旬より千葉県内の新規感染者数が増加傾向に転じ、7月下旬になると急激な感染者数の増大がはじまりました。この頃、安房地域でも少しずつ感染者数の増加がみられましたが、当地域では中等症~重症患者の入院を当院で、軽症者の入院を富山国保病院と(医療圏は違いますが)いすみ医療センターが引き受けるという役割分担がうまく機能し、地域の重症者のベッドを確保しつつも、県北などで入院調整のつかなかった重症者の受け入れも行いました。特に当院では総合病院の強みを生かし、感染症科と各診療科が連携して、透析患者や妊婦、血液疾患を抱える感染患者などの受け入れを積極的に行いました。

しかし、8月3日の緊急事態宣言の発令を境に、安房地域の様子も一変しました。発熱外来での検査数や陽性率が上昇し、感染拡大が深刻な県北からの入院依頼もひっきりなしとなりました。地域外からの受け入れ要請が入るということは、その地域ではもはや受け入れの余力がないことを意味します。そこで、他地域からの受け入れに加え、地域の医療提供体制を確保するため、再度不急の入院を抑制し、コロナ病棟の拡大や重症病床の増床を急ぎ行いました。その後、当院でもクラスターが発生し、入院患者さまをはじめ多くの方にご心配とご迷惑をお掛けすることになってしまいましたが、感染症科の協力のもと早期に終息させることができました。

この頃、県内の医療体制はひっ迫し、入院調整を待つ自宅待機者が溢れていました。重点医療機関会議では「これ以上の診療強化は限界であり、どうやって納得のいく最期を患者さまに迎えさせてあげられるのかを考えるフェーズなのではないか」といった厳しい意見が出るほど深刻な状況でした。安房地域でも自宅待機者が急増していましたが、幸い酸素飽和度が93%を下回るような絶対入院適応の方は100%受け入れることができ、あらためて素晴らしい地域だと実感することができました。永遠に続く悪夢のような感染状況も、9月の第1週を過ぎたあたりから急激に感染者数が減少に転じ、わずか2週間ほどで医療のひっ迫度合も落ち着きを取り戻しました。

新型コロナウイルス診療に追われるなか、当院では1日最大4,000人規模の地域住民を対象とした新型コロナウイルスワクチンの集団接種や、オリンピック・パラリンピックへの医師派遣を行うなど、感染予防や国際行事にも貢献しました。

冬に向け第6波が警戒されますが、第5波では感染者数の増加と減少のペースが非常に早く、迅速な対応が求められたことから、診療体制の見直しを行うと共に、地域住民へのワクチン接種も行政と協力して進めることで、少しでも平穏な日常に近づけるよう努力してまいりたいと思います。

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