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画期的がん治療薬の保険収載に思う (理事長 亀田隆明) 2019/07/01

理事長
亀田 隆明

令和元年5月、初めての10連休中、20年ぶりに医療法人鉄蕉会において念願であった電子カルテシステムの更新を断行しました。

1995年に世界に先駆け、IBMと共同開発をして早25年、独自開発に切り替えて20年が経過しました。この間のコンピューター性能の向上、通信技術・通信速度の進歩は目覚ましいものでありました。スマホどころか、携帯電話も今のように普及していない時代に開発した電子カルテを、改良を重ねながら現在まで使ってきましたが、ハード・ソフトともに限界に達していました。

長い歴史のある電子カルテは60もの部門システム、本院の情報が亀田京橋クリニックをはじめとした全事業所でリアルタイムに共有できる利便性、そして数十万人の20年にも及ぶデータが蓄積されており、これを全く新しいシステムに乗せ換えるには大変な困難がありました。今年度一番重要かつ困難なプロジェクトを、次代を担う亀田俊明プロジェクトリーダーを中心に、職員一丸となって乗り越えたことを誇りに思います。今後は、ワークフローの見直しを含め、より効率的運用ができるよう改善を続けてゆくことが期待されます。

さて、話は変わりますが、連休明けに海外で承認されていた白血病などのがん免疫治療、CAR-T療法の治療薬「キムリア」が3,349万円/1回という薬価で保険適用となったというビッグニュースが飛び込んできました。近年、白血病に限らず多くのがん治療成績は相次ぐ抗がん剤や免疫治療薬などの新薬開発が進み、急速に改善されています。特に若い白血病の患者さまにとって、日進月歩の医療はまさに福音といえましょう。

しかし一方、近年の新薬開発には莫大な研究費がつぎ込まれ、キムリアにとどまらず超高額薬剤が次々に誕生しています。遺伝子診断などにより薬剤の効果が事前に判定できるようになったとはいえ、必ずしも効果が得られるものばかりではないため、海外では治療効果によって報酬を定めるなどの工夫も始まっています。わが国の皆保険制度下でこれらの新薬全てを保険収載し、広く国民に成果を還元し続けるには思い切った施策が必要だと痛感します。

キムリアだけをとっても適用となる患者さまは年間200人程度なので保険財政に大きな影響はないという会社側の試算ですが、適用を広げより多くの患者さまにも恩恵をということになるのは必定でしょう。

中医協などでは、このような命に係わるような治療を受け続けられるようにするため、薬局などで代替できる一般薬などは保険から除外したらどうか等の意見が出ているようです。それも一案だと思いますが、自動車保険が、法律で義務化されている自賠責保険と任意保険の組み合わせで構成されているように、新たな財源案として、皆保険制度と任意保険の組み合わせなども検討し、国民的コンセンサスを得てゆく必要がある時期にきていると思います。

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