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淘汰の時代を生き抜くために (学校法人鉄蕉館理事長 亀田省吾) 2017/03/03

学校法人鉄蕉館理事長
亀田 省吾

私は、平成2年から亀田看護専門学校(現亀田医療技術専門学校)の学校長を務めております。この間、社会環境の変化により、看護教育の流れも紆余曲折の歴史を辿ってまいりました。バブル時代には看護師から給料が高いゴルフキャディーへの転職者が出たり、看護師の仕事は3Kだ、9Kだと言われ、応募者が減少しました。また、高学歴志向の進展や准看護師の「お礼奉公問題」により、多くの准看護養成所が閉鎖した結果、准看護師として働きながら正看護師を目指す進学コースの存在意義も急速に失われて行きました。

20年ほど前からは、看護教育の大学化が進み、現在では全国に250余りの看護大学や学部、学科が開設されています。亀田の看護師養成も、これらの社会状況に対応する形で、様々な変遷を辿り、現在は亀田医療大学(看護学部)、亀田医療技術専門学校(看護学科、助産学科、日本語学科)、安房医療福祉専門学校(看護学科)で毎年200名を超える看護師や助産師を養成しています。

一方、急激な少子化により数年前から受験者数の減少が顕著になってきました。いくら教育施設を作っても、そこに入学してくれる優秀な学生がいなくては何も意味がありませんし、学校経営を続けて行くこともできません。

現在、日本中の田舎では、生徒数の減少に伴い、公立の小・中・高校の統廃合が進められています。しかし、大学などの高等教育機関の統廃合は難しく、ましてや私学の定員削減等は、即、経営難につながります。既に、文化系の私立大学は、学生確保が困難になっているところも少なくありません。そのため今まで医療者教育とは全く関係の無かった大学が、現在でも人気が高い看護学部を開設する動きが加速しています。

しかし、これも時間の問題です。今後、奇跡的に出生率が急速に上がろうとも、数十年間は18歳人口が増加することは望めません。私も学校運営に関して幾多の困難を乗り越えてまいりましたが、今回ほど危機感を募らせたことはありません。好むと好まざるとにかかわらず、地域と同様に教育機関も淘汰の時代に入ってきました。このまま時代の流れに身を委ねていたら、当地域も亀田もじり貧になっていくでしょう。

現在亀田は、地域自治体とも連携し、当地域の活性化やグローバル化を目指した様々なプロジェクトを進めています。大手不動産会社とのCCRC(※)プロジェクトなど、具体的に動きだしているものもありますが、最大の課題は、それぞれのプロジェクトを動かすための人材確保です。首都圏や海外からの富裕高齢者などの受け入れには、医療者や介護者のみならず、様々な人材が必要です。そこで最も重要なことは、地域に生まれた子供達が、地域の中で育ち、職を得、安定した家庭を築き、楽しく、プライドを持った人生を送れる環境を作ることでしょう。超高齢化社会を迎える今こそ、若者が集まり、住みたくなる町づくりを真剣に考える時だと思います。

continuing care retirement community:高齢者居住コミュニティ
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