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お知らせ

千葉県の看護の現状と課題 (学校法人鉄蕉館理事長 亀田省吾) 2016/09/01

学校法人鉄蕉館理事長
亀田省吾

早いもので、平成2年に私が亀田医療技術専門学校の学校長に就任してから26年間が過ぎました。

昭和29年の亀田病院附属准看護婦学校の開設以来、社会の変化や医療の進歩に対応する形で、亀田の看護教育は様々な変遷を辿り、病院の発展に呼応しながら拡充して参りました。しかし、未だに看護師の充足を実感したことは一度もありません。このような状況の中で平成24年には亀田医療大学が開学し、平成26年には、社会福祉法人太陽会が館山市に安房医療福祉専門学校を開学。3校合わせると、年間200人の看護師育成体制が整いました。

千葉県は、今後東京近郊の人口密集地帯の高齢化が急激に進み、圧倒的な看護師不足が予想されています。そのような状況に対応するために、県として看護師養成数の増加、離職率の低下、再就業率の増加を政策として掲げています。しかし、離職率の低下や再就業率の増加を図ることは、理論的には正しいことであっても、これまでの歴史が示すとおり非常に難しいのが現状です。一方、看護師養成数を増やすことに関しては、多くの既存の大学が18歳人口の急激な減少や社会構造の変化に伴い、現行の学部では学生が集まらないために、安定した雇用につながり今後ともニーズの高い看護学部を開設する動きが加速しています。

看護師養成が増えることは非常に喜ばしいことですが、若年者人口の減少が進む中、定員を確保できない看護師養成施設が出てくることも予想されます。特に、密接に連携した実習病院を持たない大学における看護教育の質の問題や、遠方の実習施設に通わざるを得ない学生の身体的、経済的負担の増加などが危惧されます。また、優秀な臨床看護師の教育にとっては看護師養成施設での基礎教育以上に、卒後教育が重要であることは指摘するまでもありません。卒業後のキャリアアップを含めた学校選びが重要であり、特に、周囲に医療関係者がいない生徒や保護者への様々な情報提供が必要だと感じています。

また、近年は少子化や貧困化の影響もあり、多くの生徒や保護者が自宅から通学できる学校を第一選択する傾向が強くなっています。このような現状から、若年人口の減少が進んでいる県南においては、医療者を目指す若者の割合を増やす試みが必須であり、そのための様々な活動や、仕組み作りが重要です。

その取り組みのひとつとして、市内の県立長狭高等学校に作られた医療・福祉コースが、年を追うごとに希望者が増えていることは大変喜ばしいことです。また、遠方からの生徒募集には、主たる実習施設である亀田メディカルセンターを含めたオール亀田での教育体制の充実を図り、他の教育機関との差別化はもとより、学生達の将来の様々な夢を実現するための仕組みを作って行く必要があります。

さらに、海外からの留学生を含めたグローバル化も進めています。今後とも医療や看護を取り巻く環境は、大きく変わって行くと思いますが、亀田グループは当地域と共に、常に前向きに進んで参る所存です。今後とも地域の皆様のご支援、ご理解を心よりお願い申し上げます。

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