
東日本大震災から半年以上が経過しますが、日本の政治や景気は不安定な状況が続いています。これほどの災害にもかかわらず、極端な円高が続き、原発問題も決着せず、日本の経済と雇用を支えてきた製造業は悲鳴を上げ、人員の整理、効率化や生産拠点の海外移転による空洞化が進もうとしています。
過去に世界第2位を誇った国民1人あたりのGDPも急落し、新卒者の就職問題は深刻化しています。受験戦争を経て、高度な教育を受けた多くの優秀な若者が、その能力を発揮できずに社会に埋もれています。
一方、日本は世界第1位の高齢化率と平均寿命を誇り、医療・介護需要は急増しています。需要に供給が追いつかず、医療従事者のマンパワーは大幅に不足し疲弊しています。その結果、十分な医療・介護を受けられない地域や無保険者も目立つようになってきました。医療は社会保障の重要な柱ですが、社会保障を充実させるためには、国家が豊かである必要があります。そのためには、まず全ての国民が自身の力を十分に発揮し働くことが必要です。
日本の現状を考えると、1次産業と2次産業に求められる労働力は減少せざるを得ません。従って3次産業に労働の場を創出するしかありません。実際、医療・介護における有効求人倍率は非常に高く、常に人手不足状態です。確かに現状の社会的コストと捉えた医療・介護制度では、財源的に大きな雇用を創出することは困難であり、抜本的な概念の見直しと制度改革が必要です。一方、現実的に今後一定期間は製造業や建設業に変わり雇用の受け皿になり、国内経済を支える最大産業にならざるを得ないでしょう。現在すでに亀田グループの職員数は大手鉄鋼メーカーを抜いて県南最大です。
しかしながら看護師を中心に人材不足はまだまだ深刻です。そのために、現在来年4月を目指し亀田大医療大学の開学準備が進められています。亀田医療技術専門学校と合わせ、一学年160名の看護師養成を目指します。社会人であっても、看護師を目指す意欲があれば是非チャレンジ゙していただきたいと思います。決して楽な道ではないと思いますが、長い人生において大きな財産になることは間違いありません。
21世紀は以前にも増して社会がめまぐるしく変化してゆくと思います。日本では、一度社会に出てしまうと人生の方向転換のための再教育・訓練を受けにくい環境のため、せっかくの能力を活かせない多くの優秀な人材を認めます。欧米では、高校を卒業後いったん就職し、自分にあった職業が見つかると、その後もう一度教育・訓練を受けるという例が珍しくありません。
激変する社会においては、求められる能力や資格もどんどん変化します。この変化に柔軟に対応できる教育、訓練制度が今まさに求められています。つまり、国民の誰もが生涯にわたり自身の能力を発揮し社会に貢献し続けるためのサポート体制を作ることによって日本が豊かになり、社会保障も更に充実でき、生きがいのある安心安全な国家を再興できるのではないでしょうか。
亀田医療大学は看護師養成の単科大学としてスタートいたしますが、将来的には社会が必要とする医療、介護系の様々な人材を養成し、社会と経済に貢献してゆきたいと考えています。
2011年11月1日